重症虚血肢HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」 ベーリンガーインゲルハイムと製造での協業開始 アンジェス

 アンジェスは20日、重症虚血肢HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」について、ベーリンガーインゲルハイム(BI)と原薬に関する受託開発・製造契約を正式に締結したと発表した。
 同契約締結は、コラテジェンの臨床試験を完了とし、BLA申請に向けた準備を進めることに伴うもの。両社は、規制当局による承認取得に向けて、今後も協力を継続していく。
 同型薬に基づき、BIのバイオ医薬品受託製造部門であるBioXcellenceは、アンジェスのCDMO(契約開発・製造機関)として、HGF遺伝子治療製品の有効成分の製造及び供給を担う。
 プラスミドDNA分子は、ベーリンガーが保有する独自の微生物技術を用いてオーストリア・ウィーン拠点で製造されており、両社の臨床試験用供給に関する協業は約20年前から継続している。
 PADは複雑な病状であり、世界で2億人が罹患している。潰瘍、感染症、最終的には切断といった下肢に極めて深刻な合併症を引き起こす可能性がある。
 Armstrong教授らの報告によれば、がんと比較しても、重度な下肢(足首より近位)の切断後の5年生存率(死亡率57%)は、肺がん(80%)に次いで2番目に高いことが示されている。また、Global Vascular Guidelinesでは、PADの早期段階での治療開始が推奨されている。そのため、比較的早期のPAD患者にHGF遺伝子治療用製品による治療を開始することで、潰瘍や切断のない期間を延ばし、患者の生活の質向上、感染や切断予防に寄与することが可能性となる。
 アンジェスは、「今後もBIとの継続的な協業がHGF遺伝子治療用製品の開発を加速させ、中期的な企業価値向上に寄与するものと確信している」との考えを示している。
 なお、今回のBI社との契約締結に伴う当連結会計年度における連結業績予想に変更はない。

◆山田英アンジェス代表取締役社長のコメント
 我々は、世界有数の医薬品及びバイオ医薬品製造企業であるBIとの提携を誇りに思う。米国FDAのBLA(生物製剤承認申請)の成功に向けて互いに尽力できることを楽しみにしている。
 化学、製造、及び管理(CMC)に関する更なる情報が、近い将来FDAとのプレBLA会議に提供される予定である。

◆ウーテ・レーマンBI・BioXcellence事業開発及びキーアカウントマネージメント部門責任者のコメント
 BioXcellenceでは、バイオ医薬品製造における専門性を活かし、高品質かつ信頼性の高い製造サービスを提供することで、パートナー企業のFDA BLA承認などの規制上のマイルストーン達成を支援し、革新的な治療法を世界中の患者に届けることを目指している。
 アンジェスとの協業の機会を大変光栄に思っており、本パートナーシップの今後の成功に貢献できることを楽しみにしている。

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