RC28-E硝子体内注射剤 中国RemeGen社とライセンス契約締結 参天製薬

 参天製薬は19日、中国のバイオ医薬品企業のRemeGen社とRemeGen社が自社開発したRC28-E硝子体内注射剤の供与についてライセンス契約を締結したと発表した。
 同契約により参天製薬は、中国本土、台湾、香港、マカオ、 韓国、タイ、ベトナム、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシアを対象地域として、RC28-Eを開発、製造、販売する独占権を取得する。
 これに伴い、RemeGen社は、契約一時金として2億5000万人民元(約51億円)を受領するほか、開発および規制関連のマイルストン達成に応じて最大5億2000万人民元(約106億円)、販売マイルストン達成に応じて最大5億2500万人民元(約107億円)の支払いを受ける見込み。さらに、ライセンス対象地域における純売上高に基づく追加のロイヤルティも受領する。
 RC28-E 硝子体内注射剤は、血管内皮増殖因子(VEGF)と線維芽細胞増殖因子(FGF)の両方を標的とする二重特異性融合タンパク質である。網膜疾患である滲出型加齢黄斑変性(wAMD)、糖尿病黄斑浮腫(DME)、糖尿病網膜症(DR)の治療薬として臨床開発が進められている。両社との提携により、革新的な新規分子への患者のアクセスが大きく加速することが期待される。
 中国において、治療が必要なDMEの患者数は570万人、wAMD2の患者は381万人に上る。さらに、中国国内の糖尿病患者数は、2021年には1億1400万人を超えると推計されている。
 本年5月7日、ARVO 2025において、DMEの治療に関するRC28-EのP2試験結果が発表された。同試験では、RC28-E 投与群で最高矯正視力(BCVA)及び中心領域網膜厚(CST)肥厚が大幅に改善され、また認容性も確認された。
 2023 年、RemeGen 社は、wAMDとDMEの治療について、RC28-EのP3試験を開始した。同社は、2025年度下半期にDMEへの適応について中国で生物製剤承認申請(BLA)を提出し、2026年度半ばにwAMDへの適応についてBLA申請する予定である。

◆伊藤毅参天製薬代表取締役社長兼CEOのコメント
 RemeGen社は、新薬開発の分野で突出した能力と革新力を示してきた。RemeGen社の中核眼科パイプラインであるRC28-Eは、血管形成と線維化を同時に標的とするという独自の優位性があり、眼底疾患の治療に対して新たな治療アプローチと革新的なオプションを提供することが期待される。
 参天製薬は、グローバルと各地域においてあらゆるパートナーとの協力と提携を強化し、眼科領域において質の高い開発を進め、患者さんのアンメットニーズに対応している。引き続き、人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現を追求していく。

◆Dr. Fang Jianmin RemeGen社CEOのコメント
 参天製薬は、130年以上にわたり眼科の専門知識を活かし、世界60以上の国・地域で強固な販売網を保持している。RemeGen社は、カテゴリーの革新的医薬品を自社開発しており、RC28-EはBLA申請を間近に控えている。
 RemeGen社と参天製薬の強みが組み合わさることで、RC28-E の可能性が最大限に引き出され、網膜疾患の治療に革新的かつ効果的なソリューションがもたらされるものと確信している。
 今回の提携は、RC28-E の将来的な製品化に向けた強固な基礎を築くだけでなく、国際的に有名な眼科企業が眼科薬の研究開発におけるRemeGen 社の能力を高く評価していることを示すものである。
 当社は、参天製薬とともに革新的事業を推進し、眼科医療において新たな一歩を踏み出せることに期待している。

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