ベーリンガーインゲルハイムは22日、皮膚自己免疫疾患治療薬「スペビゴ」(一般名:スペソリマブ、遺伝子組換え)について、レオ ファーマと同剤の販売・開発促進を目的とした全世界での独占的なライセンスおよび譲渡に関する契約を締結したと発表した。
スペビゴは、膿胞性乾癬(GPP)を含む複数の自己炎症性疾患の病因に関連することが明らかになっている免疫系のシグナル伝達経路であるインターロイキン36(IL-36)受容体の活性化を阻害する新規ヒト化選択的抗体だ。
同譲渡は、一部の国、地域での競争法当局による承認を条件とし、2025年の後半に完了する予定で、一時金としてベーリンガーインゲルハイムは9000万ユーロを受領する。そのほかに目標達成報奨金および段階的ロイヤルティを受けとる予定である。
今回の契約により、レオ ファーマは、皮膚科領域におけるグローバルな販売網を活かし、GPPの疾患啓発や患者の治療法へのアクセスを担保し、スペビゴの販売とさらなる開発を行う。
ベーリンガーインゲルハイムの皮膚科領域を代表する製品であるスペビゴがGPP治療薬として加わることにより、レオ ファーマの既存の皮膚科領域における戦略的ポートフォリオを補完する。
スペビゴは、米国、日本、中国、欧州連合(EU)を含む40カ国以上において、成人におけるGPPの急性症状に対する治療薬として規制当局の製造販売承認を取得している。
また、EU、米国および中国においてGPPにおける追加適応でも製造販売承認を取得している。さらに、IL-36が病態に関わる他の皮膚疾患の治療薬としても開発が進められている。
同提携は、GPP以外のIL-36の病態への関与が考えられるアンメットニーズが高い他の皮膚疾患におけるスペソリマブの開発にも適用される。
GPPは生命を脅かすおそれのある希少な難治性皮膚疾患です。好中球(白血球の一種)が皮膚に蓄積するのが特徴で、疼痛や無菌性の膿疱(うみを持った水疱)が全身に多発する。疾患経過は人によって異なるが、しばしば発熱、倦怠感、疲労、臓器不全のリスクが伴ったり、断続的な再燃を伴う持続性疾患に悩まされたりする。
◆クリストフ・ブルドン レオ ファーマの最高経営責任者のコメント
皮膚疾患は人々の生活に非常に大きな影響をもたらすが、レオ ファーマはそこに変革を起こすために存在している。スペビゴをさらに多くの患者さんに届けるための提携は単なる戦略的ステップにとどまらない。GPPとともに生きる人々が苦痛を伴う急性症状を迅速に治療することで生活の質を向上し、治療法が限定的な状況に真の希望をもたらすだろう。
ベーリンガーインゲルハイムの先駆者としてのこれまでの尽力に感銘を受けた我々は、それを引き継げることをとても楽しみにしている。両社が共に、革新的な治療へのアクセスを拡大し、これまで十分顧みられなかった患者さんに有意義な前進をもたらす素晴らしい機会に恵まれたと考えている。