武田薬品は27日、SARS-CoV-2オミクロン株LP.8.1系統を抗原株とした組換え新型コロナワクチン「ヌバキソビッド」について、厚生労働省に対し、直近のSARS-CoV-2変異株に対する適応追加承認申請を実施したと発表した。
ヌバキソビッドは、武田薬品がノババックスから製造技術のライセンス供与を受け、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症の予防を効能・効果として、2022年4月19日に厚労省より製造販売承認を取得した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の組換えスパイク蛋白質(rS)抗原を含有するワクチンである。
現在、6歳以上に対する初回免疫(1、2回目接種)および12歳以上に対する追加免疫(3回目接種以降)として、適応を取得している。1回0.5mL 接種2回分のバイアル製剤(2-8℃の冷蔵保存)である「ヌバキソビッド」については、2024/2025シーズンの新型コロナワクチンの定期接種開始前の2024年9月5日に、製造販売承認を取得している。
2025年5月28日に開催された厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産・流通部会 季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの製造株について検討する小委員会において、2025/26シーズンの定期接種で使用する新型コロナワクチンの抗原組成は、WHO の推奨と同様に、「1価の JN.1、KP.2 若しくは LP.8.1 に対する抗原又は令和7年5月現在流行している JN.1 系統変異株に対して、広汎かつ頑健な中和抗体応答又は有効性が示された抗原を含む」とされている。
今回の承認申請は、同小委員会の決定に伴うもので、品質の抗原株の変更に係るデータに加え、LP.8.1系統を抗原株としたヌバキソビッドが直近のSARS-CoV-2変異株(LP.8.1、LP.8.1.1、JN.1、KP.3.1.1、XEC、XEC.4、NP.1、LF.7及びLF.7.2.1 )に対しても中和抗体を産生することが認められた非臨床データに基づいている。
武田薬品は厚労省のワクチン生産体制等緊急整備事業および国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のワクチン開発推進事業により、ノババックスの新型コロナウイルス感染症ワクチン候補を日本国内において生産するための技術移転・生産設備の整備・供給及び研究開発に係る助成を受けている。