トレムフィア クローン病導入期治療に対する適応追加承認取得 Johnson&Johnson

 Johnson&Johnson(J&J)は24日、「トレムフィア」について、中等症から重症の活動期クローン病の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能・効果として、適応追加承認を取得したと発表した。
  今回の承認は、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症及び潰瘍性大腸炎に続き、日本国内においてトレムフィアの7つ目の適応症となる。
 トレムフィアは、導入期の治療において皮下投与及び静脈内投与という2つの選択肢を提供する唯一のインターロイキン(IL)-23p19阻害薬となる。トレムフィアは、IL-23を阻害するとともに、炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合し、産生されるIL-23 を捕捉するdual-acting(二重作用)を有する。
 同剤はは、日本においてクローン病を適応症とした、初めてかつ唯一のdual-acting(二重作用)を有する完全ヒト型、IL-23p19阻害薬である。
 国際共同P3相GALAXI試験、GRAVITI試験及び国内CRD3003試験の結果に基づき承認されたトレムフィアは、従来の治療や生物学的製剤及び/またはJAK阻害剤で効果不十分又は忍容性が不良であった中等症から重症の活動期クローン病を対象に、有効性と安全性が評価されている。
 GALAXI2及び3試験は、プラセボ対照及び実薬(ステラーラ®)対照の国際共同試験であり、トレムフィア®の静脈内投与による導入投与、皮下投与による維持投与の有効性及び安全性を評価したもの。GRAVITI試験は、プラセボ対照であり、導入投与としてトレムフィアの皮下投与したときの有効性及び安全性を評価した。
 GALAXI試験の結果に基づき、トレムフィアは、二重盲検直接比較試験で多重性を調整した内視鏡的有効性において、ステラーラに対する優越性を示した唯一のIL-23p19阻害薬である。
 GRAVITI及びGALAXI試験の結果は、トレムフィアの皮下投与または静脈内投与が臨床的および内視鏡的エンドポイントを達成し、有効性を示した。
 クローン病は、炎症性腸疾患を構成する2つの主要な疾患のうちの1つである。国の指定難病であり、日本には約7万人の患者がいると推定されている。クローン病の症状はさまざまであるが、腹痛や圧痛、頻繁な下痢、直腸出血、体重減少、発熱などが挙げられる。
 クローン病は若年層での発症が多く、発症年齢は男性で20~24歳、女性で15~19歳で最も多くみられる。そのため、学業やキャリアなどライフイベントへの影響も大きいと言われている。現在、クローン病を根治する治療法はなく、寛解維持が治療目標の1つとされており、新たな治療選択肢が求められている。

◆クリス・リーガーJ&J Innovative Medicine Japan代表取締役社長のコメント
 今年の3月にトレムフィアの潰瘍性大腸炎における適応拡大に続き、今回新たにクローン病に対しても承認を取得した。これにより、日本における炎症性腸疾患のアンメットニーズにさらに応えられるようになったことを嬉しく思う。
 トレムフィアは、日本においてクローン病治療のために、導入療法において皮下投与または静脈内投与を選択できる初めてかつ唯一のIL-23p19阻害薬であり、患者さんのライフスタイルに寄り添い、日常生活の質の向上につながることが期待される。

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