
アストラゼネカは24日、熊本市と生活習慣病(NCDs:非感染性疾患)対策推進等に関する連携協定を締結したと発表した。
同協定のもと、熊本市が掲げる「全ての市民が生涯を通して住み慣れた地域で健康でいきいきと暮らせるまちの実現」に向け、生活習慣病をはじめとする NCDs発症予防及び早期発見・早期治療の推進による健康寿命の延伸に取り組んでいく。
全国的に、死因別の死亡者順の上位に「脳血管疾患」「心不全」「がん」「腎不全」など生活習慣病などいわゆるNCDsが占めており、死亡や介護に至る要因の一つにもなっていることから、さらなるNCDsへの対策への包括的な対策が重要な課題となっている。 熊本市においては、過去、新規人工透析導入者数の割合が高かったため(全国平均の1.47倍)、全国に先駆けて熊本市医師会や腎臓専門医などの関係機関と連携し、発病予防や悪化防止に取り組んできており、新規人工透析導入者割合を全国平均まで下げるという目標を掲げている。
近年、「メタボリックシンドローム」や「糖尿病」などの生活習慣病によるCKD(慢性腎臓病)が増加している。CKDは「腎炎」「糖尿病」「高血圧」など様々な原因により起こることがわかっている。
また、生活習慣病を放置すれば、CKDが進行するばかりでなく、脳梗塞や心筋梗塞といった病気を起こす可能性がある。さらに、肺の生活習慣病であるCOPDについても、呼吸だけでなく、症状が悪化すると、慢性心不全などの心血管イベントにも影響があるとされている。
厚労大臣が定める国民の健康増進の推進のための基本方針に基づく健康づくり運動「健康日本21(第三次)」では、2032年までに人口10万人あたりのCOPDによる死亡を10.0まで減少させるという新たな目標が掲げられており、熊本市においてもCOPDの死亡率の減少を目指すことを目標としている。
こうした状況を受けてアストラゼネカと熊本市は、協働してステークホルダーとの連携や、より多くの方々が健康づくりにアクセスしやすい環境を整備し、地域の健康課題の把握や疾病予防に関する啓発活動など、健康づくりの輪を広げるとともに、地域全体の健康意識向上および健康寿命の延伸を目指していく。
◆大西一史熊本市市長のコメント
熊本市は、「人生100年時代を生きるための健康づくりの推進」を掲げており、また、「第3次健康くまもと 21 基本計画」においても、生活習慣病の発症と重症化の予防を重要な目標の一つに位置づけている。
このような中、豊富な知見と実績を有するアストラゼネカと連携協定を締結できたことは、本市にとって大変心強い。疾病予防に対する知識や理解を深めてもらうため情報発信などの啓発活動にご協力いただけるのは、市民の健康寿命の延伸に向けた大きな一歩であると考えている。
この協定締結を契機として、官民連携による健康施策のさらなる充実を図り、誰もが健やかに暮らせるまちづくりを進めていきたい。
◆堀井貴史アストラゼネカ代表取締役社長のコメント アストラゼネカが重点としている疾患領域は、熊本市が医療課題として抱える疾患と重なっている。健康寿命の延伸には、NCDs の予防・早期診断・早期治療が重要である。アストラゼネカはこれまでにも慢性腎臓病の疾患啓発に積極的に取り組んできた。
また、慢性心不全などの心血管イベントにも影響があることがわかっているCOPDについても早期診断などの取り組みを様々なステークホルダーと協働している。アストラゼネカはこれまで培ってきた製薬企業としての知見やエビデンスデータおよびノウハウを活かし、多様なステークホルダーとの連携強化のハブとなり、データヘルスと医療DXの活用、エビデンスの創出を通じて、市民の皆様の健康寿命の延伸に貢献していきたいと考えている。