小野薬品は23日、Vertex社と同社が開発中のIgA腎症等治療薬「povetacicept」について、20日に日本、韓国で独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結したと発表した。
Povetaciceptは、遺伝子組換え融合タンパク質で、IgA腎症治療においてベストインクラスのポテンシャルを有するBAFF(B cell activating factor)およびAPRIL(a proliferation inducing ligand)に対するデュアル拮抗薬。IgA腎症、原発性膜性腎症を含む複数の重篤なB細胞介在性疾患の治療薬として開発が進められている。
同契約の締結により、小野薬品は、Vertex社に対し、契約一時金を支払うとともに、開発の進捗および売上高に応じたマイルストン、並びに売上高に応じた段階的な料率のロイヤルティを支払う。
小野薬品は、これまでの開発ノウハウを基に、日本、韓国におけるpovetaciceptの臨床開発の実施および製造販売承認取得を担う。
また、承認取得後は、小野薬品は当該地域でのpovetaciceptの販売を単独で担う。同契約には、IgA腎症および原発性膜性腎症を含み、開発の進捗に応じてその他適応症も追加される。
◆滝野十一小野薬品代表取締役社長のコメント
Vertex社は、重篤な疾患に対する革新的な治療薬の開発において素晴らしい実績を有している。今回の戦略的提携により、小野薬品の重点領域である免疫領域での開発後期段階のパイプラインを強化することができる。
我々は、日本、韓国のIgA腎症およびその他の自己免疫疾患の患者さんに新たな治療選択肢を提供し、その価値最大化に向けて、Vertex社と提携できることを楽しみにしている。
◆Reshma Kewalramani Vertex社最高経営責任者nのコメント
小野薬品は、日本と韓国において確立されたプレゼンスと腎臓病領域における高い専門性を有するリーディング企業であり、日本、韓国の何千人もの患者さんにpovetaciceptを届けることを目指すVertexにとって理想的なパートナーである。
我々は、小野薬品と提携できることを非常に嬉しく思うとともに、povetaciceptが IgA腎症、原発性膜性腎症およびその他の重篤なB細胞介在性疾患に対するベストインクラスの治療薬となるよう、同社との緊密な提携を進めていけることを楽しみにしている。