武田薬品は12日、回腸胆汁酸トランスポーター阻害薬「リブマーリ」(一般名:マラリキシバット塩化物)について、アラジール症候群(ALGS)・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)における胆汁うっ滞に伴うそう痒を効能・効果として発売したと発表した。
リブマーリは、Mirum社が開発した薬剤。武田薬品は、2021年9月に日本における独占的開発・販売に関するライセンス契約を締結した。米国、欧州などにおいては、ALGSでは40カ国以上、PFICでは30カ国以上で承認されている。
ALGSは、胆汁うっ滞により、最終的には進行性の肝機能障害を引き起こす、まれな遺伝性疾患である。PFICは、肝細胞の胆汁を分泌する能力が低下し、肝細胞内に胆汁の蓄積を起こして、進行性の肝疾患に至るまれな遺伝性疾患である。どちらも「小児慢性特定疾病」や「指定難病」に指定されている。
ALGSを対象とした国内P3試験(TAK-625-3001試験、NCT05543174)およびPFICを対象とした国内臨床P3試験(TAK-625-3002試験、NCT05543187)ならびに海外で行われた複数の臨床試験で得られたエビデンスに基づいて2024年6月27日に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2025年3月27日に製造販売承認を取得した。
◆大山尚貢武田薬品当社ジャパンファーマビジネスユニット 第二事業部事業部長のコメント
リブマーリをALGSおよびPFICにおける胆汁うっ滞に伴うそう痒を効能・効果とする日本で初めての治療薬として患者さんにお届けできることをうれしく思う。
ALGSおよびPFICは、乳幼児期に診断されることが多い疾患で、胆汁うっ滞に伴う激しいそう痒は患者さんおよびその介護者の夜間の不眠やQOLの低下につながる。リブマーリを新たな治療選択肢としてお届けし、一人でも多くの患者さんに貢献できるよう尽力していく。