オピオイド誘発性便秘症治療薬「ナルデメジン」 中国での新薬承認申請受理 塩野義製薬

 塩野義製薬は30日、オピオイド誘発性便秘症(OIC)治療薬「ナルデメジン」について、中国での新薬承認申請が受理されたと発表した。
 ナルデメジンは、同社が創製した末梢性μオピオイド受容体拮抗薬で、日本、米国、欧州、台湾等の国・地域で発売されており、多くのOIC患者の症状改善に貢献している。
 がん性疼痛治療において、オピオイド鎮痛薬は中心的な役割を果たしているが、その副作用が原因で治療の継続が困難な場合がある。なかでも、便秘はオピオイド鎮痛薬使用患者の40~80%に認められる副作用で、身体的負担が大きく、QOLに大きな影響を及ぼすため、疼痛管理上の大きな課題とされている。
 中国では、OICに対する治療選択肢が限られており、現状はオピオイド鎮痛薬の用量調節や下剤などの対症療法が中心である。そのため、より良い疼痛管理の実現するために、新たな治療選択肢が求められている。
 今後、ナルデメジンが中国で承認されることで、OICで困っている患者のQOL向上への献が期待される。
 今回の新薬承認申請は、OIC患者を対象に、中国で実施したP3試験での良好な結果に基づいており、同社グループ会社の塩野義有限公司(本社:中国上海市)を通じて申請した。なお、承認取得後の中国におけるナルデメジンの販売に関しては、塩野義有限公司が正大天晴药业集团股份有限公司(本社:中国江蘇省、正大天晴)と輸入および中国国内の販売に関する独占ライセンス契約を締結しており、正大天晴が中国本土での販売を担い、塩野義製薬は販売量に応じた一定の収益を受領する。
  なお、同件が2026年3月期の連結業績に与える影響は軽微である。

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