中外製薬は14日、抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク」(一般名:アテゾリズマブ、遺伝子組換え)について、胸腺がんに対する適応拡大の申請を厚労省に行ったと発表した。
テセントリクは、本年3月31日に同適応症に対する希少疾病用医薬品の指定を厚労省より受けており、優先審査の対象となる。
今回の適応拡大申請は、切除不能な胸腺がんに対し、一次治療としてテセントリクとカルボプラチン、パクリタキセルの併用療法における有効性および安全性を評価した医師主導の国内P2試験(MARBLE試験)成績に基づくもの。
同試験において、主要評価項目である奏効割合は56.3%(95%信頼区間:41.2~70.5)であった。
主な副作用は、末梢性感覚ニューロパチー、脱毛症、便秘、貧血、白血球数減少、悪心、斑状丘疹状皮疹、好中球減少症、好中球数減少、食欲減退、倦怠感、関節痛であった。同試験で認められた安全性は各薬剤でこれまでに認められている安全性プロファイルと同様であった。
◆奥田修代表取締役社長CEOのコメント
希少がんである胸腺がんは、再発すると予後不良なため、新たな治療薬の開発が望まれている。標準的に用いられている化学療法との併用において、良好な有効性を示したテセントリクを胸腺がんの新たな治療薬として患者さんに1日でも早くお届けできるよう、承認取得に向け取り組んでいきたい。