
武田薬品は15日、47都道府県 全122社のお土産企業の協力のもと、炎症性腸疾患(IBD)患者らのお土産選びをサポートする「IBDreamお土産図鑑」を、同社疾患啓発サイト(IBDステーション)に公開したと発表した。
同企画は、旅の日(5月16日)と世界IBDデー(5月19日)に合わせたもので、IBD患者、周囲の人の”食”の悩みのひとつである“お土産選び”をサポートする。
同図鑑では、47都道府県のお土産を計125商品掲載しており、誰でも同図鑑をダウンロードできる。 昨年公開のIBDreamお菓子図鑑に次ぐ、IBD患者とその周囲の人のための図鑑第2弾となる。
同図鑑の制作は、IBD患者の悩みに向き合い、さまざまな企業や団体とともに解決策を考える武田薬品の「IBDreamプロジェクト」の活動の一環である。
IBDreamプロジェクトは、2020年から続く取り組みで、今年で5周年を迎える。IBDは、一般的には「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の2つの総称を意味する。IBDは腸を中心とする消化管粘膜に炎症が生じる疾患で、主に10代~20代で多く発症することが知られている。患者の多くは、頻回の下痢や血便、腹痛、発熱、さらには慢性疲労に悩まされながら日常生活を送っている。
IBD患者が抱える食の悩みは、日々の食事にとどまらず、旅行の楽しみのひとつである「お土産」にも及ぶ。IBD患者は、もらったお土産の栄養成分や原材料が気になってしまい楽しめないことや、IBD患者のみならず、周囲の方もどのお土産をあげていいのか分からない場合がある。
このように、IBD患者と家族やご友人など周囲の人が、旅先でのお食事選びやお土産選びに迷う場面も少なくない。

同図鑑では、日本全国のお土産 計125商品について、原材料、栄養成分、アレルギー情報などのIBD患者にとって大切な情報や、小分けにして食べる際の「脂質5g以内の目安量」などを掲載している。また、各お土産企業から提供された“お土産のトリビア”などもあわせて紹介している。「全国IBD患者数マップ」では、各都道府県にIBD患者数を掲載している。
なお、同図鑑は、実臨床でIBD患者により近い場所で接している管理栄養士の観点から、すべての商品について宮澤靖氏(東京医科大学病院 栄養管理科)が監修している。
同図鑑内の商品情報(商品名、商品説明、写真、内容量、原材料名、栄養成分情報、アレルギー関連情報、トリビア情報)については、各お土産企業に掲載の承諾を受けて掲載している。
脂質5g以内の目安量と特記事項については、各商品の原材料ならびに栄養成分情報を基に、宮澤氏監修のもと、記載している。
表紙やイラストのデザインは、IBD患者でもあるクリエイターのカメダ氏が担当した。同図鑑の開発にあたり、バスケットボール、ゴルフなどのアスリート、声優、ミスコン日本代表として活躍するIBD患者10名がお土産にまつわるエピソード共有に協力している。
◆監修者の宮澤靖氏のコメント
本図鑑は、IBD患者さん本人がお土産を選ぶ際だけでなく、家族・友人など周囲の方がIBD患者さんにお土産を渡す際など、さまざま場面でシーンに役立つものだと思う。
IBDの症状や体調は個人差が大きいため、IBD患者さんの体調に合った食品を見つけることが重要である。本図鑑では全国のお土産について楽しく知ることができるので、患者さんだけでなく周囲の人も、図鑑を活用して、お土産選びの参考にしていただければと思う。