Cilcare社と難聴に関する共同研究契約締結 塩野義製薬

 塩野義製薬は9日、Cilcare社と難聴に関する新薬創出を目的とした共同研究契約を締結したと発表した。
 難聴は、世界中で約5億人が罹患している深刻な健康問題だ。その発生率は大幅に増加しており、2050年までに世界人口の4分の1が、さまざまな聴覚障害を経験すると言われている。
 さらに、難聴は認知症発症の最大のリスク因子であり、難聴を取り除くことで、認知症の発症リスクを減少させることが報告されている。だが、現時点では、詳細な病態メカニズムは不明で有効な治療薬がないため、アンメットニーズが高い疾患である。
 その中で、Cilcare社は難聴に対する高い非臨床研究技術と臨床ノウハウを有している世界有数の企業であり、塩野義製薬とのオプション契約のもと、難聴に対する治療薬候補(CIL001、CIL003)の開発を進めていく。
 同共同研究では、塩野義製薬の創薬力とCilcare社の難聴研究の専門性を融合させ、難聴における新規メカニズムの新薬創出を行う。また、Cilcare社が有する難聴の非臨床評価技術を塩野義製薬に移管することで、両社による共同研究を加速させ、早期の開発品創製が可能になる。
 さらに、今後の継続した開発候補品の創出に向けて、Cilcare社が有する臨床試験データを活用することで、難聴に対する臨床外挿性の精度を高める非臨床ケイパビリティの獲得を目指す。

タイトルとURLをコピーしました