グラクソスミスクライン(GSK)は25日、RSウイルスワクチン「アレックスビー(アジュバント添加RSウイルスワクチン)」について、米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)がRSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高い50~59歳への接種推奨を勧告したと発表した。
同勧告は、RSウイルスワクチン接種対象者をこれまでの60歳以上から深刻な影響を受けやすい50~59歳の1300万人以上に拡大することを目的としたもの。
同勧告には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、糖尿病、心不全などの疾患を有する方と介護施設にいる人も含まれる。
これは、2024年6月のACIPが勧告した RSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高い60~74歳および75歳以上のすべての成人へのRSウイルスワクチンの接種推奨を拡大するもの。
米国のシステマティックレビューによれば、RSウイルスによる入院は毎年米国の50~64歳で4万2000人と推定されている。COPD、喘息、心不全、糖尿病などの基礎疾患を有する患者は、これらの疾患のない人と比べ、RSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高く、RSウイルスによってこれらの病態が悪化し、肺炎、入院、死亡につながる可能性がある。
同勧告は、50~59歳の成人を対象にGSKのRSウイルスワクチンの免疫効果と安全性を評価するP3試験(NCT05590403)6の肯定的な結果に基づくもの。同試験には、特定の基礎疾患によりRSウイルス感染による下気道疾患(RSV-LRTD)のリスクが高い成人も含まれており、60歳以上の成人においてGSKのRSウイルスワクチンの単回接種後に有効性が示された場合と比較された。
ACIPによる推奨内容は、CDCと米国当局に送られ、審査と承認を受ける予定です。承認されると、最終的な勧告がワクチンの適切な使用に関する医療従事者向けの推奨事項として公表され、保険適用に関する通知が行われる。
アレックスビー(Arexvy)は、60歳以上を対象にRSウイルスによる下気道疾患の予防を適応として、米国FDAより2023年5月に世界で初めて承認を取得した。現在、日本、米国、欧州を含む61カ国で、60歳以上を対象に、RSウイルスによる下気道疾患の予防(日本:RSウイルスによる感染症の予防)を効能・効果として承認されている。
さらに、日本(RSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高い50歳以上)と米国や欧州/欧州経済領域(EEA)加盟国で、RSウイルスによる感染症のリスクが高い50~59歳を対象に、下気道疾患の予防(日本:RSウイルスによる感染症の予防)を効能・効果として承認されている。
その他の国々でも規制当局による審査が進行中である。承認地域以外の商標名は各国の規制当局の承認に基づき決定される。米国では公式の推奨事項に従って使用される。他のワクチンと同様に、ワクチン接種を受けたすべての人に感染防御のための免疫応答が誘導されるわけではない。
◆トニー・ウッドGSKのチーフ・サイエンティフィック・オフィサーのコメント
RSウイルスワクチン接種の恩恵が、深刻な影響を受けやすい50~59歳の1300万人以上の人々へ拡大するという今回のACIPの勧告を喜ばしく思う。RSウイルスは、基礎疾患のある患者さんにとって深刻な結果をもたらす可能性がある。RSウイルスワクチンの接種によって、より多くの人々を守る手助けができることを期待している。
