国民の無病息災と薬業界の発展を祈念 大神神社鎮花祭

玉串奉奠する塩野薬神講会長

 大和國一の宮三輪明神大神神社の鎮花祭が18日、同神社本社拝殿ならびに狭井神社の両社で厳かに斎行され、300人を超える参拝者が国民の無病息災と薬業界の発展を祈願した。
 鎮花祭は、約1300年前の大宝律令に、「国民の無病息災をお祈りする国家の祭り」と記されている。別名花鎮めの祭りとも呼ばれ、国を代表する重要な神事として現在まで脈絡と受け継がれてきた。
 昭和25年には、大阪、奈良、京都の製薬企業や医薬の関係者が集まって薬神講を形成し、祭りはさらに発展。近年では、九州、富山など遠方からの参列者も増加し、コロナ禍の影響は受けたものの年々盛り上がりをみせている。

神楽奇魂の舞

  祭典では、修祓、祝詞奏上、神楽奇魂の舞、玉櫛奉奠、撤饌などの神事が行われ、塩野元三薬神講会長(塩野義製薬名誉顧問)ら参列者代表が神前に玉櫛を奉奠した。

井上宮司

 令和元年に竣工致した三輪山会館で開催された直会では、井上卓朗大神神社宮司が、「三輪の御神体である大物主大神は、秩序を乱すもの、災厄を引き起こすものを圧倒的な力を以て押さえ、世の中の平和を保ち、幸せをもたらす偉大な神様である」と紹介。
 さらに、「命をつなぎ、病を鎮めるため、さらには医薬の発展、医療の技に大物主大神の力を授かるための人々の切実な祈りがこのお祭りが連綿と続く要因となった。皆様方には大神様のご加護の元にますますご活躍されることを心より祈念したい」と訴えかけた。

塩野氏

 続いて塩野元三薬神講会長が、「本日の鎮花祭が薬神講を始めとする皆様方のご参列の下、厳かに滞りなく行われましたこと心よりお喜び申し上げたい」と謝辞を述べた。
 また、4月13日に大阪の夢洲で開幕した大阪・関西万博にも言及し、「万博は、国の催事であり、キーワードも‟健康”で、鎮花祭と共通するところが多く、関西経済発展のための重要なイベントでもある」と明言。
 その上で、「大阪・関西万博を契機に大阪の魅力が世界に発信されると共に、万博で展示された医療技術が社会実装化され次の時代に繋がって行くことを願いたい」と訴求した。

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