グローバルNGO支援プログラム「MSD for Mothers」 カンボジアでの母子・思春期保健サービス強化プロジェクト選出 MSD

 MSDは10日、グローバルNGO支援プログラム「MSD for Mothers」に、ジョイセフ(東京都新宿区、理事長:勝部まゆみ氏)が選出されたと発表した。ジョイセフがカンボジアにおいて実施する思春期および先住民・少数民族の女性の健康改善に向けた3カ年プロジェクト「カンボジア北部における母子・思春期保健サービス強化プロジェクト」に対して、約1億2150万円を拠出する。
 MSD for Mothers は、妊娠や出産に関連した要因による女性の死をゼロにすることを目指すMSDのグローバルCSR活動である。MSDのビジネスおよび科学的なリソースを活用しながら、MSD for Mothersは支援先と連携して、妊娠中および産前産後の女性の健康と幸福の向上に取り組んでいる。
 2011年の設立以来、世界中の196のパートナーと連携し、これまでに70カ国以上で275件のプロジェクトを支援してきた。日本からは、ジョイセフによるミャンマーでの妊産婦支援プロジェクト「家族計画・妊産婦保健サービス利用促進プロジェクト ~社会・文化的バリアを越えて~」(2019年~2023年)が選ばれており、今回が2回目の選出となる。
 カンボジアは、出生10万あたりの妊産婦死亡数である「妊産婦死亡率」が東南アジア地域で最も高い国である支援対象プロジェクトの実施地域であるスタントレン州は、首都のプノンペンから480キロ離れた北部の僻地にあり、車での移動に6~7時間かかる。
 10代の妊娠の割合がカンボジアで最も高い州であり、高い貧困率や早婚の習慣、広大な森林や数多くの河川に覆われている地理的な特性に伴う医療サービスへの不十分なアクセスなどが課題として挙げられている。

◆カイル・タトルMSD代表取締役社長のコメント 今回、MSD for Mothersプログラムの支援先として、日本のNGOであるジョイセフが再び選ばれたことを大変喜ばしく思う。日本およびアジア太平洋地域に拠点を置く企業として、妊産婦さんや思春期の女性の健康を守ることに重点を置いたジョイセフの重要な活動をカンボジアにおいても引き続き支援できることは、大変意義深いと考えている。

◆勝部まゆみジョイセフ理事長のコメント
 今回のプロジェクトでは、カンボジア国内で最も状況が厳しい州のひとつである、スタントレン州の脆弱な状況にある妊娠可能年齢の女性、特に10代や先住民・少数の女性に対して、人材養成を通じた質の高い母子保健ケアおよび家族計画サービス、さらにユースフレンドリーな保健サービスへのアクセスの改善を目指す。
 現地NGOと州保健局との協業を通じて、保健センターで妊産婦および若者へのサービスを提供している医療従事者や、地域の開発計画を司る地方行政官を対象とした研修やメンタリング支援、学校教師をはじめ、思春期の青少年を取り巻くコミュニティへの働きかけも行う予定である。
 また、ユースボランティアや大人サポーターによる地域に根付いた啓発活動が継続される仕組みづくりを目指し、持続可能な改善計画と体制整備にも貢献できればと考えている。

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