BeiGene Japanは27日、「テビムブラ」(一般名:チスレリズマブ、遺伝子組換え)について、根治切除不能な進行・再発の食道がんに関する日本国内での製造販売承認を取得したと発表した。
同剤は、T細胞の表面に存在する免疫チェックポイント受容体PD-1を標的とした抗PD-1モノクローナル抗体である。がん細胞がT細胞上のPD-1に結合すると、T細胞の活性が抑制される。同剤はPD-1をブロックすることで、がん細胞のPD-1への結合を阻害し、この抑制を解除する。
食道がんは、食道の粘膜から発生する悪性腫瘍であり、世界のがん罹患率で第8位、がんによる死因では第6位に位置している。2020年には、全世界で約60万4000人が新たに罹患し、約54万人が死亡したと推定されている。1
食道がんには主に食道扁平上皮がん(ESCC)と食道腺がんの2つの種類があり、世界的にはESCCが約90%を占めている。ESCCは、食道本来の粘膜である扁平上皮から発生し、特に東アジア、中央アジア、東アフリカのリフトバレー沿いや南アフリカで多くみられる。
また、60歳以上の高齢者に多く、男女比は3:1と報告されている。日本では、2020年に約2万6000人が食道がんに罹患し、約1万2000人が死亡したと推定されている。日本食道学会の全国調査 (2013年治療・2019年解析、症例数8019例)によると、食道がんは60~70歳代に多く発生し、男女比は約5.4:と男性に多いことが報告されている。また、組織型ではESCCが約86%を占めている。
今回の承認取得は、根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん患者を対象とした国際共同P3試験 (RATIONALE-306試験) 及び化学療法歴のある根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん患者を対象とした国際共同P3試験 (RATIONALE-302試験)結果に基づくもの。
◆閌康博BeiGene Japanメディカルアフェアーズ本部長のコメント
今回のテビムブラの承認は、食道がん患者さんおよび医療関係者の皆様に新たな治療選択肢を提供する重要な一歩であり、テビムブラの承認により、患者さんの予後改善に貢献できることを期待している。 今後も、より多くのがん患者さんに革新的な治療を届けるべく、研究開発と医療関係者の皆様との連携を強化しながら、医療の発展に貢献していく。
