肺動脈性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ錠小児用」 販売開始 日本新薬

ウプトラビ錠小児用専用おくすりケース

 日本新薬は19日、肺動脈性肺高血圧症治療剤「ウプトラビ錠小児用」(セレキシパグ製剤)について、同日、薬価収載され販売を開始したと発表した。薬価は443.50円/錠。
 肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、心臓から肺へ血液を送る肺動脈の血圧が何らかの原因で異常に上昇する予後不良の疾患で、原因不明な特発性PAH、遺伝性PAHおよび各種疾患(結合組織病、先天性心疾患等)に伴うPAHなどに分類される。
 成人と小児におけるPAHの病態は類似しており、プロスタサイクリン系薬剤、エンドセリン受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5阻害薬など、作用機序の異なる治療薬の併用が推奨される。
 だが、小児PAHに対して国内で使用可能な薬剤は限られており、特にプロスタサイクリン系薬剤では静脈内持続投与を必要とする注射剤のみであることから、同作用機序の経口剤が求められていた。
 ウプトラビは、プロスタサイクリン系薬剤の中でもプロスタサイクリン受容体(IP受容体)への選択性が高い、経口のIP受容体作動薬である。血管平滑筋細胞のIP受容体に結合してcAMP産生を増加させ、血管拡張作用および血管平滑筋増殖抑制作用を介して肺動脈圧を低下させると考えられる。
 同剤は漸増投与に伴い服薬錠数が増加することから、患者の服薬をサポートするとともに、医療従事者の調剤を容易にするため、専用の「おくすりケース」を開発した。医療従事者は専用充填器の使用により、簡便かつ正確に同剤を「おくすりケース」に充填できる。また、充填された錠剤は1列分が1回の服薬量となるため、患者は常に正確な錠数を服薬できる。

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