
塩野義製薬は7日、東京都、三菱UFJ銀行、三菱地所、MPower Partnersと連携し、女性起業家および女性活躍推進に資するサービス・商品を有するスタートアップ支援に100%特化した日本初のファンド「WPower Fund I」を設立したと発表した。ファンド規模は最大80億円。2026年3月5日までを追加募集期間としている(予定)。
同ファンドを通じて、日本から世界へ羽ばたき活躍する女性起業家を育成し、女性活躍を推進するスタートアップを支援することで、日本のイノベーションを活性化させ、魅力的な国づくりに貢献していく。
日本におけるスタートアップ投資はこの10年で10倍になったものの、女性起業家への投資額は全体のわずか2%という低い水準にある。
一方で、女性創業者の数は年々増加し、新規起業の34%は女性によるものだ。多くの非常に優れた女性創業のスタートアップおよび女性関連ビジネスが資金調達に困難を抱えていることにより、イノベーションが阻害され、経済の活力が失われている。同時に、ここに市場が見逃している大きな投資機会が存在すると考えられる。
スタートアップへの資金供給者であるベンチャーキャピタルにおいても、意思決定層における女性の割合は6~7%程度と言われている。女性キャピタリストであるMPower Partnersと、女性活躍推進を強力に支援する投資家が、同ファンドを通して女性起業家および女性活躍推進に資する事業を支援することで、スタートアップエコシステム全体の多様化と、ひいては日本経済の活性化に貢献できるものと期待される。同ファンドの狙いは、次の通り。
・主に、「資金調達面での困難さを抱える女性起業家等の支援」に加え、「女性活躍推進に資するサービス・商品を有するスタートアップの支援」を目的とし、経済的リターンと社会インパクトの両立を狙う。
・女性起業家およびこれらスタートアップが集まることができる場を提供し、大手町・丸の内・有楽町エリアを「女性起業家の集積地」(通称WValley)として知見の共有や情報発信を行なっていく。
・同ファンドのLPと協働し、女性起業家および女性活躍推進に資するスタートアップが安心して資金調達を行える環境作りを支援し、事業拡大をサポートする。