住友ファーマは基幹3製品の伸長等で有利子負債の返済推進
住友化学は4日、新中期経営計画「Leap Beyond ~成長軌道へ回帰~」(2025~2027 年度)を発表した。同計画は、2025年度を「新生住友化学」の出発点とし、中期最終年度となる2027年度は、成長軌道回帰に向けた中間点として、コア営業利益2000億円、ROE8%、ROIC6%を目指す。27年度の住友ファーマのコア営業利益目標は、「本社・その他等」と併せて50億円を見込んでいる。
2030年以降は、持続的な成長に実現によって2035年コア営業利益3500億円、ROE12%、ROIC10%以上を長期目標に掲げている。
同社子会社の住友ファーマは、24年度に資産売却(200億円)してコア営業利益10億円を達成し最終赤字160億円、25年度に資産売却無しで最終利益の黒字転換を目指していたが、1年前倒しで160億円の黒字化を達成する見込にある。
こうした中、新中期経営計画における住友ファーマの経営戦略では、基幹3製品のオルゴビクス(進行性前立腺がん)は唯一の経口剤としてADT市場内シェアを拡大する。ジェムテサ(過活動膀胱、前立腺肥大を伴う過活動膀胱)は、適応症拡大により拡販を図る。マイフェンブリー (子宮筋腫・子宮内膜症)は、子宮内膜症でのシェアを拡大を目指す。2024年度の基幹3製品売上予想は1535億円で、2027年度は2000億円台半ばを目標としている。
有利子負債は、ロイバント株式売却等により、借入金は大幅削減。基幹3製品の伸長等に伴う営業キャッシュフローも活用し、財務体質の改善を図る。2024年度の有利子負債は3000億円程度となり、その後も基幹3製品売上増等により返済を進めて行く見込み。
低分子医薬品の創薬分野でのシナジーは限定的なため、役員派遣等により住友ファーマ再建を強力に支援する。同時に、住友ファーマの持続的成長に貢献できるベストパートナーを検討する。
再生・細胞医薬事業は、 住友ファーマの再生細胞のフロントランナーとしての技術・知見や住友化学の工業化技術・分析技術・品質管理のノウハウを活用し、住友化学グループを挙げて開発・事業拡大を推進する。再⽣・細胞医薬事業の展望では、2027年度には⽇本での製品上市の成功を通じた再⽣医療領域での国内リーディングポジションを確⽴し、売上収益最⼤100億円超、30年代半ばに最大1000億円超、30年代後半には最⼤で約3500億円を目指す。
