塩野義製薬は18日、同社がAkili社(本社:米国ワシントン州)から日本と台湾で独占的開発権・販売権を取得しているデジタル治療用アプリ「エンデバーライド」について、13日付けで日本での製造販売承認を取得したと発表した。同アプリは、小児のADHDを対象としている。
スマートフォンやタブレットを通じて取り組むことでADHDの症状改善が期待されるエンデバーライドは、コアテクノロジーに基づいて、認知機能において重要な役割を果たすとされる脳の前頭前野を活性化するように設計されている。患者毎に最適化された二重課題を行うことで大脳皮質を刺激し、患者の不注意、多動性、および衝動性を改善するように促す。
今回、塩野義製薬が日本で実施したP3試験の良好な結果に基づき、「小児期におけるADHDの治療補助」を使用目的に承認された。日本ではこれまでにニコチン依存症患者や高血圧患者などを対象とした行動変容を促す治療用アプリは販売されているが、小児のADHD患者を対象とした治療用アプリはエンデバーライドが日本では初めてとなる。
今後は、カウンセリングなどの心理社会的治療や薬物治療に加え、デジタル治療用アプリという新たな治療選択肢の提供により、より多くの小児ADHD患者の症状改善や治療満足度の向上につながることが期待される。
塩野義製薬は、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」というSHIONOGI Group Visionを定め、その実現に向けてヘルスケアサービスを提供する「HaaS企業」への変革を掲げていり。同社は、これまで培った創薬型製薬企業としての強みを磨きつつ、外部パートナーとの連携を含めた取り組みを強化し、医療用医薬品の提供だけにとどまらない多様な治療選択肢を提供することで、患者とその家族の QOL向上に貢献していく。