MSDの抗PD-1抗体「キイトルーダ」と化学療法(パクリタキセルおよびカルボプラチン)の併用療法が、昨年12月27日、進行・再発の子宮体癌に対する一次療法としての適応追加承認を国内で取得した。
子宮体がんは子宮体部にできるがんで、そのほとんどが子宮内膜から発生することから子宮内膜がんとも呼ばれている。日本では、2020年には約1.8万人が子宮体がんと診断され、2023年には約2900人が亡くなっている。
自覚症状は不正出血が最も多く、進行すると下腹部の痛みや性交時の痛み、腰痛や下肢のむくみなどの症状が現れる場合もある。子宮体がんはがんが子宮に留まっている段階で発見できれば比較的予後が良いと言われているが、進行または再発した場合の治療法は限定的であり、新たな選択肢が求められている。
今回の適応追加承認は、化学療法歴のない進行・再発の子宮体がん患者810例(日本人7例を含む)を対象に、患者のミスマッチ修復(MMR)の状態に基づきMMR 正常(pMMR)(588例)またはMMR 欠損(dMMR)(222例)の集団別に、キイトルーダと化学療法(パクリタキセルおよびカルボプラチン)との併用療法、およびその後のキイトルーダ単独療法の有効性および安全性を検討した国際共同P3試験(KEYNOTE-868/NRG-GY018試験)のデータに基づくもの。
同試験において、pMMR およびdMMR のいずれの集団でもキイトルーダと化学療法との併用療法、およびその後のキイトルーダ単独療法は、プラセボと化学療法との併用療法、およびその後のプラセボ投与と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した(pMMR集団におけるPFS: HR=0.57 [95% CI, 0.44-0.74]; P<0.0001、dMMR集団におけるPFS: HR=0.34 [95% CI, 0.22-0.53]; P<0.0001)。
安全性については、安全性解析対象例382例中365例(95.5%)(日本人2例中2例を含む)に副作用が認められた。
主な副作用(20%以上)は、疲労225例(58.9%)、貧血178例(46.6%)、脱毛症163例(42.7%)、悪心146例(38.2%)、末梢性感覚ニューロパチー117例(30.6%)、便秘112例(29.3%)、下痢110例(28.8%)、末梢性ニューロパチー98例(25.7%)、白血球数減少97例(25.4%)、血小板数減少93例(24.3%)、好中球数減少87例(22.8%)および関節痛80例(20.9%)であった。