能登半島地震被災地支援など今年の大阪府薬剤師会10大ニュース発表 大阪府薬乾会長

乾氏

 大阪府薬剤師会は12日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長が「能登半島地震被災地支援で大阪府薬のモバイルファーマシーが初出動」など大阪府薬剤師会10大ニュースを発表した。10大ニュースは、次の通り。

①能登半島地震被災地支援で大阪府薬のモバイルファーマシーが初出動

②7年ぶりで近畿薬剤師学術大会を大阪で開催

③診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬のトリプル改定

④10月1日より長期収載品の選定療養がスタート

⑤後発品供給不足の未解消

⑥4月から大阪府の第8次医療計画スタート

⑦地域における夜間・休日の医薬品提供体制の構築

⑧岩月進会長の新執行部の下で日本薬剤師会がスタート

⑨大阪府薬独自の新たな生涯教育認定制度の構築

⑩来年4月13日開幕の2025大阪・関西万博に併せた「薬局店頭における外国人対応マニュアル」作成

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 元旦に発生した能登半島地震被災地支援では、大阪府薬のモバイルファーマシー(災害対策医薬品供給車両)が2月3日まで輪島市門前町に配置された。
 各支援地域へ向かう支援薬剤師の宿泊施設の役割を担う国立能登青少年交流の家(羽咋市)に設置された日本薬剤師会の柴垣本部の業務も、日薬からの依頼で大阪府薬が一手に引き受け、2月15日に一旦終了し、他の県薬に引き継いだ。

 近畿薬剤師学術大会は、11月10日、「地域と薬剤師の調和~創造力とコミュニケーションの能力が未來への澪標(みおつくし)」をメインテーマに開催された。特別記念講演では、2025大阪・関西万博大阪ヘルスケアパビリオン総合プロデューサーの森下竜一氏(大阪大学大学院医学研究科臨床遺伝子治療学寄付講座教授)が「2025大阪・関西万博から考える2050年のミライ医療・薬剤師の果たす役割とは」をテーマに講演。「万博へのさらなる関心が高まった」(乾氏)。
 診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬のトリプル改定は、薬局における物価高騰・賃金上昇に対応するには厳しい内容となったものの、「その中で出来得る限りの改善を進めている」(乾氏)。
 10月1日からの長期収載品の選定療養では、後発品が安定供給されていないため、「薬局に後発品が無い場合は、選定療養の対象にはならず、薬局の都合で患者負担がゼロになる」という課題を残している。
 大阪府の第8次医療計画(5疾病・5事業)は、その中に感染症対策も盛り込まれており、二次指定医療機関として7割を超える保険薬局に協定を結んでいる。
 大阪府では、新興感染症発生・蔓延時や災害時等に備えた医療体制を整備するとともに、人口構造の変化や医療従事者の確保状況を踏まえ、超高齢化社会・人口減少社会における持続可能な医療体制の構築を目指している。乾氏は、「その実現において地域薬局・薬剤師役割も大きい」と強調した。
 地域における夜間・休日の医薬品提供体制の構築では、5月11日よりホームページに、地域の薬局の開局時間・時間外対応の状況を取りまとめた‟地域における夜間・休日の医薬品提供体制(在宅含む)リスト”をアップした。
 同リストには、夜間・休日等に医師から処方箋が発行された場合など、緊急性の高い処方箋調剤等に対応することを念頭に、地域の薬局の開局時間・時間外対応の状況も取りまとめられている。
 乾氏は、岩月日薬新会長に対して「現場の薬局の声をしっかりと取り上げてほしい」と要望し、「期待している」とエールを送った。
 大阪府薬独自の新たな生涯教育認定制度は、「今年度中にしっかりと魂を入れた制度を確立して薬剤師認定制度認証機構(CPC)の認証を受け、平成7年度からスタートする」スケジュールを改めて示した。
 薬局における外国人対応マニュアル(スペイン語、ポルトガル語、タイ語、ベトナム語、フランス語)は、大阪府の委託事業として作成したもの。来年1月に各薬局に配布される。
 その他会見では、「医薬品備蓄分譲システムに関する地域薬剤師会の取組み」も報告された。大阪府薬では、OKISSの中にも医薬品分譲システムが構築されているが、同取り組みは「地域における医薬品供給体制の完結」を目的としたものだ。
 現在、豊中市薬剤師会、泉佐野薬剤師会、東大阪市布施薬剤師会、天王寺区薬剤師会において、電子システムによる医薬品分譲システムが構築されている。道明雅代副会長は、「これらのシステムを参考にした各地域支部での医薬品備蓄分譲システム拡大」に期待を寄せた。
 乾氏も「後発品不足の根底からの解消が必須である」と断言した上で、「これらの5地域の医薬品備蓄分譲システムは、後発品不足にも寄与している」と報告した。
 

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