2024年度入社式で新入社員に訓示 住友ファーマ野村博社長

野村氏

 住友ファーマの野村博社長は1日、同日開催した 2024年度入社式で社長訓示を行った。訓示内容は次の通り。
 本年度は、研究、開発、技術研究、営業、生産、本社で、合わせて40名の精鋭の皆さんに入社いただくことができた。
 当社は、「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により広く社会に貢献する」という理念を掲げており、医薬品や医療ソリューションの提供を通じて社会課題の解決と当社の企業価値向上を目指している。
 私たちが目指すのは、患者さんとそのご家族が抱える健康に関する課題を解決する存在であることであり、私たちが生み出そうとしているのは「患者視点」のイノベーションである。
 研究開発に関係する方々はもちろん、全ての従業員が一体となってイノベーションを届けるという信念が必要だ。その過程においては、多くの困難もあると思う。だが、その困難を成長のチャンスと捉え、前向きに進むことこそが様々な break-throughを生み出すものと信じている。
 そのためには、働く皆さんが「自律・自立した社員」であるとともに、前例にとらわれず柔軟な発想で何事にも取り組む必要があると考えている。その上で、当社の行動指針である 「CHANTO」 に基づいて、最後まで諦めずに目標を達成することが、イノベーション創出には不可欠である。
 当社の研究開発については、研究プロジェクト制の導入等により、研究の在り方がこれまでとは変化してきた。特に、これまで10年余り注力してきたがん領域では、骨髄線維症と急性骨髄性白血病の2品目について大変期待できるデータが得られている。
 前者は 、2027 年度に日米で承認申請、後者は2026 年度に日米で承認申請をそれぞれ目指している。さらに当社はiPS細胞を用いた再生医療においてはトップランナーであると捉えている。
 2024 年度に、パーキンソン病を対象に行われていた医師主導治験のデータを用いて、条件・期限付き承認を目指してPMDAに承認申請を行う予定である。承認されれば、iPS 細胞を用いた治療の実用化として世界初となる可能性がある。
 また、当社は、米国においてもパーキンソン病を対象とした企業治験を開始している。その他、国内では網膜色素上皮裂孔を対象とした企業治験を開始している。
 さらに、今後は、網膜色素変性を対象とした企業治験も行う予定だ。このような大変有望な開発プログラムがあるので、私たちはこれらを着実に前進させ、その結果として、当社の将来の成長が見えてくると考えている。
 最後に、本日入社する皆さんは、今後社会人として困難にぶつかることがあるかもしれない。だが、困難があるからこそ、人は成長する。チャレンジングな仕事に日々取り組んでいただく中で、「CHANTO」の精神で成果を出し、企業人として大きく成長されることを期待している。

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