ファンペップは9日、開発中の機能性ペプチドの皮膚潰瘍治療薬「SR-0379」について、追加P3試験(SR0379-JP-SU-02試験)の治験計画届を6日に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表した。
同治験計画の提出は、早期の承認取得を目指したもの。同社は、今後、PMDA の所定の調査が終了後に、02試験を開始する予定である。SR-0379 の開発は、現在、塩野義製薬社と同社の共同開発により日本で進めている。
SR-0379 は、20 個のアミノ酸からなる機能性ペプチドの開発化合物である。皮膚のバリア機能が欠損して様々な細菌が創面に付着している皮膚潰瘍の治療には、細菌、感染のコントロールが重要となる。
SR-0379 は、血管新生や肉芽形成促進による創傷治癒促進作用に加え、抗菌活性を併せ持つことが強みだ。また、簡便な投与方法(常温保存可能なスプレー剤)であるため、幅広い皮膚潰瘍の患者に使用できる。
ファンペップは、SR-0379 の開発により、高齢化社会を迎え重要性が増している褥瘡や糖尿病性潰瘍等の皮膚潰瘍の早期回復を促進し、患者の QOL 向上に貢献することを目指す。
2021年6月から皮膚潰瘍患者を対象とするP3試験(SR0379-JP-SU-01試験)が実施された。その結果、事後部分集団解析(潰瘍サイズ(長径×短径)36cm 2 未満)において、主要評価項目「外科的処置に至るまでの日数」の統計学的有意な改善を確認できた。
また、治験薬と因果関係がある有害事象はなく、SR-0379の高い安全性が確認された。
ファンペップは、SR0379-JP-SU-01試験で効果がみられた皮膚潰瘍患者(潰瘍サイズ(長径×短径)36cm 2 未満)を対象に、有効性の再現性を確認するための追加のP3試験(SR0379-JP-SU-02試験)を行い、SR-0379 の早期承認取得を目指して開発を進めていく。
なお、同件は順調な試験進捗を報告するものであり、同件によるファンペップグループの2024年12月期業績に対する影響はない。