血液脳関門通過型製剤「JR-446」 ムコ多糖症IIIB 型対象国内P1/2試験開始 メディパルホールディングスとJCRファーマ

 メディパルホールディングスとJCRファーマは3日、JCRファーマが創製した血液脳関門通過型α-N-アセチルグルコサミニダーゼ製剤「JR-446」について、ムコ多糖症IIIB 型(サンフィリッポ症候群B型、MPS IIIB)を対象とした日本国内P1/2試験の第1例目となる被験者への初回投与を実施したと発表した。
 両社は、2023年9月に、JR-446のMPS IIIBを対象疾患とした海外事業化に関する実施許諾契約および日本における共同開発・商業化契約を締結している。MPS IIIB は、ライソゾーム病の一種であり、重度の中枢神経障害を呈する疾患である。世界における患者数は500人から1000人と推察されている超希少疾患で、現在までに承認されている治療法は世界において皆無である。JCRファーマは、非臨床試験において、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を使用した JR-446 が MPS IIIBに関連する症状に対する効果を示すことを確認している。
 同臨床試験は、18歳未満の MPS IIIB患者を対象とした多施設共同の単群非盲検試験である。JR-446 の安全性、忍容性、並びに潜在的有効性の評価を主な目的としており、複数用量のJR-446を投与することで、至適用量についても評価する。
 同試験の概要については、臨床研究等提出・公開システム(jRCT)で提供される公開情報(https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2071240043)で閲覧できる。

◆同臨床試験医学専門家の小須賀基通医師(国立成育医療研究センター小児内科系専門診療部遺伝診療科診療部長)のコメント
 これまで治療法のなかった MPS IIIB に対する新たな治療法が提供できることを喜ばしく思う。我が国では、MPS III の中でも MPS IIIB の頻度は高く、中枢神経系症状が主であることから、中枢神経をターゲットにした新たな治療法が長く待たれていた。
 本臨床試験が MPS IIIB の患者さんの病状や日常生活を変える大きな転換点になることを願ってやまない。

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