塩野義製薬は3日、同社が創製したグラム陰性菌感染症治療薬「セフィデロコル」について、新薬承認申請がオーストラリア当局(TGA:Therapeutic Goods Administration)に受理されたと発表した。
今回の承認申請は、これまでに実施したセフィデロコルの3 つのグローバル臨床試験(複雑性尿路感染症患者を対象としたP2試験「APEKs-cUTI」、カルバペネム耐性グラム陰性菌感染症患者を対象としたP3試験「CREDIBLE-CR」、院内肺炎患者を対象としたP3試験「APEKS-NP」)1-3の結果に基づくもの。
セフィデロコルは、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を効果的に通過して抗菌活性を発揮する薬剤で、日本・欧州・米国・台湾を含めて25カ国と地域で販売(製品名:日本「フェトロージャ」、米国・台湾「Fetroja」、欧州「Fetcroja」)。実臨床での有効性と安全性の評価を目的にした薬剤耐性菌による重症患者に対する良好なリアルワールドデータもこれまでに複数公表されている。
また、各国の医療システムに必要な最低限の医薬品のうち、優先疾患に対する最も効果的で安全かつ費用対効果の高い医薬品として、WHOの必須医薬品リストに掲載されている。