小野薬品は3日、カナダCongruence社と、Congruence社独自の創薬プラットフォーム「Revenir」を活用して、がん領域でタンパク質の複数の形態を標的とする新たな低分子化合物を創製するための創薬提携契約を締結したと発表した。Revenirは、Congruence社独自の計算による創薬プラットフォームで、タンパク質の変異によって引き起こされる生物物理学的変化を捉え、タンパク質の欠陥とその修復に関する独自の方法を見出す。Revenirを用いてタンパク質の立体構造における表面の特性および生物物理学的特徴を解析して、タンパク質の欠陥を修復できる低分子化合物を予測する。
同契約に基づき、Congruence社は、独自の創薬プラットフォームであるRevenirを活用して、新たな低分子化合物を創製する。小野薬品は、創製された低分子化合物に関して、全世界で独占的に開発・製造・商業化するオプション権を取得する。
小野薬品は、Congruence社に対して、契約一時金、共同研究費、研究開発の進捗および売上高に応じたマイルストン、ならびに上市後の売上高に応じた段階的なロイヤルティを支払う。
◆勝又清至小野薬品執行役員研究本部長のコメント
タンパク質のダイナミクスおよび計算化学におけるCongruence社の技術を活用して、がん領域の難標的に対する新たな低分子化合物を創製することによって当社のパイプラインの拡充につながることを期待している。がん患者さんに一日も早く画期的な新薬をお届けできるよう取り組んでいきたい。
◆Sharath Hegde Congruence社最高科学責任者のコメント
医薬品開発、特にがん領域においてグローバルリーダーとしての地位を確立している小野薬品と提携できることを大変うれしく思う。私たちのタンパク質ダイナミクスに関する専門性を活用したRevenirプラットフォームは、両社が着目した標的に対する新しい治療法の発見を加速させると確信している。