ギリアド・サイエンシズは20日、再発乳がんの治療薬「トロデルビ」の販売を同日より開始したと発表した。適応症は、化学療法歴のあるホルモン受容体陰性かつHER2陰性(HR-/HER2-、通称トリプルネガティブ)の手術不能または再発乳がん。
トロデルビはTROP-2たんぱくを標的とする抗体薬物複合体(ADC)で、治療歴を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の新たな治療選択肢となる。同剤は、本年9月24日に国内で製造販売承認を取得した。同承認は、2つ以上の化学療法歴のある手術不能または再発のTNBC患者を対象に、トロデルビと医師が選択した治療の有効性と安全性を比較する海外でのP3試験(ASCENT)と、2つ以上の化学療法歴のある手術不能または再発のTNBC患者を対象にトロデルビの有効性と安全性を評価した国内のP2試験(ASCENT-J02)の結果に基づくもの。
◆ケネット・ブライスティングギリアド・サイエンシズ代表取締役社長のコメント
トロデルビは再発・転移性TNBCに対して、既存の化学療法と比べ、無増悪生存期間(PFS)や全生存期間(OS)を有意に改善する治療薬として、すでに世界50カ国以上で承認されている。
そのトロデルビを今回、日本のTNBC患者さんに提供できるようになったことをうれしく思う。トロデルビを必要としているすべての患者さんに届けられるよう尽力したい。