Atsena社と遺伝性網膜ジストロフィー遺伝子治療剤の日本・米国での独占的ライセンス契約締結 日本新薬

 日本新薬は13日、Atsena社(本社:米国ノースカロライナ州ダーラム)と遺伝性網膜ジストロフィー遺伝子治療剤「ATSN-101」の米国における商業化、および日本における開発・商業化に関する独占的なライセンス契約を締結したと発表した。
 ATSN-101の適応症は、レーバー先天性黒内障1型(LCA1)を含む両アレル性GUCY2D遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィー。同契約に基づき、日本新薬は米国および日本における同剤の独占的販売権を取得し、Atsena 社は米国と日本以外の全世界における販売権を保持する。なお、米国では日本新薬の米国子会社である NS Pharma(ニュージャージー州パラマス、社長:杉山幸輝氏)が販売・販促を実施する。
 同契約に伴い、Atsena 社は、契約一時金、マイルストン、売上高に応じたロイヤリティに加え、今後の検証的試験を含め、同剤の開発に係る費用を当社から受け取る。
 LCA1は、GUCY2D遺伝子の変異により発症し、早期に重度の視力障害または失明をきたす遺伝性網膜疾患で、最も一般的なLCAのひとつであり、根本的な治療法はない。
 ATSN-101は、LCA1に対するファースト・イン・クラスの遺伝子治療剤であり、米国FDAより、希少小児疾患指定、再生医療先進治療指定、希少疾病用医薬品指定を受けている。同剤が承認された場合、希少小児疾患指定制度に基づくFDAの優先審査バウチャーの権利は、Atsena 社が保有する。

◆中井亨日本新薬社長のコメント
 本剤は、現在治療薬が存在しないLCA1の治療に大いに貢献できるものと考えている。この新しい眼科遺伝子治療剤、およびその画期的な技術を有するAtsena社と協力できる機会に恵まれたことを大変うれしく思う。

◆Patrick Ritsche Atsena 社CEOのコメント
 今回の提携は、本剤の開発を加速させる道筋を作るものであり、Atsena社の先駆的な技術と開発力を証明するものである。本剤が、我々の保有する多くの眼科遺伝子治療剤ポートフォリオにおける最初の上市品となることを期待している。
 日本新薬と協力し、本剤を検証的試験へと進め、世界中のLCA1に苦しむ患者さんやそのご家族に革新的な治療薬を提供できることを楽しみにしている。

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