参天製薬は7日、Webによる2024年度第2四半期決算説明会を開催し、伊藤毅社長兼CEOが北米を含めた同社が未参入の地域について言及。「我々が直接参入した方が良いか、或いはその地域で強みのあるパートナーを探す方が良いのかを製品のポテンシャルを見極めつつ最も良い形の事業化を引き続き検討していく」考えを強調した。
また、売上収益のマイナス要因となっている ドライアイ治療薬「ジクアスLX点眼液」の自主回収の現状として、「自主回収の原因である銀を含む防腐剤の濃度が低下する原因が判明した」と明言した。
さらに、「銀の劣化が起こらないようにするには、隷書に保存したり、処方変更をするなどの手立てが考えられるが、これらの方法を取れば1年、2年と時間を要する」と指摘し、「我々としてはそうならない道を探るためにしっかりと原因を究明した結果、対処方法を見つけた」と強調。
その上で、「現在その対処方法を行えばどうなるかを確認している段階にある。25年にジクアスLX点眼液を市場に復帰させることには悲観的な見方をしていない」と言い切った。
伊藤氏は、年明けの能登半島大地震で被災した能登工場についても「9月末で全面復旧した」と報告した。
参天製薬のフルベースでの2024年度第2四半期の業績は、売上収益1464億0400万円(前年同期比0.4%増)、営業利益238億7300万円(4.9%減)、税引前利益238億3900万円(1.0%減)、中間利益187億7200万円(2.6%減)となった。
売上収益は、国内では薬価改定(6%台後半)の影響や、ジクアスLX点眼液の自主回収の影響を受けたものの、主力製品の拡大に加えて本年4月に販売を開始した眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」が売上収益392億円(6.5%増)と好調な滑り出しをみせ、中国・アジア・EMEAでも主力製品が堅調に推移し、為替影響もプラス要因となり前年同期と比べて増収を示した。
利益面では、地域/製品構成等により原価率が対前年同期比で上昇し、減収となった。
通期予想は、売上収益3020億円(0%)、営業利益445億円(15.5%増)、税引前当期利益450億円(50.6%増)、当期利益335億円(22.5%増)と、想定を上回る進捗ではあるが据え置いた。