早期アルツハイマー病治療剤「レケンビ」 米国 FDA へのBLAの段階的申請をFastTrack指定の下で完了 エーザイ

 エーザイは1日、ヒト化抗ヒト可溶性アミロイド β(Aβ)凝集体モノクローナル抗体「レケンビ」(一般名:レカネマブ)について、米国FDAに対しFast Track指定のもとで実施していた皮下注射(SC)オートインジェクターによる維持投与(週一回投与)に関する生物製剤承認申請(BLA)の段階的申請を完了したと発表した。
 米国における「レケンビ」の適応は、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)または軽度認知症(総称して早期 AD)治療である。
 PDUFA(Prescription Drug User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)は、FDAが同BLAを受理した時点で設定される。同BLAは、臨床P3相 Clarity AD試験(301試験)の非盲検長期継続投与試験(OLE)のデータおよびこれまでに得られたデータを用いたモデリングに基づいている。
 承認されれば、「レケンビ」は、約15秒で投与が完了するオートインジェクターによって自宅や医療施設での投与が可能となる。SCによる維持投与(360 ㎎、週一回投与)は、2週間に一回の静注(IV)投与による初期治療フェーズ後の当事者様に対して、神経細胞に損傷を引き起こす可能性のある毒性の高いプロトフィブリルをAβプラーク除去後も継続的に除去するために有効な薬物濃度を維持する用量を投与する。
 ADは、その病理変化がプラーク沈着前に始まり、プラーク沈着後も継続する進行性の神経毒性プロセスを有している。早期かつ継続的な治療によりADの進行を遅らせ、プラーク除去後も治療を継続することで、治療効果が延長することがデータで示されている。
 同投与法は、当事者とケアパートナーにより使いやすい形態となり、IV投与に比べ通院や看護の手間を軽減することが可能となる。これにより維持投与の継続がより容易になることで、臨床上およびバイオマーカー上のベネフィット維持が期待される。
 レケンビは、米国、日本、中国、韓国、香港、イスラエル、アラブ首長国連邦、英国(北アイルランドを除く)で承認を取得し、欧州(EU)をはじめ、10カ国と地域で承認申請を行っている。
 2024年6月、FDAはエーザイのレケンビ IV 維持投与の月1回投与に関する生物製剤ライセンス申請的製剤追加承認申請(sBLA)を受理し、PDUFA審査終了日を2025年1月25日に設定した。
 エーザイは、レカネマブの開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行う。

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