2025年3月期通期連結業績予想を下方修正 小野薬品

 小野薬品は31日、本年5月9日の2024年3月期決算発表時に公表した2025年3月期の通期連結業績予想を次の通り下方修正した(カッコ内は増減額)。
 売上収益4850億円(350億円増)、営業利益820億円(400億円減)、税引前当期利益815億円(415億円減)、当期利益581億円(331億円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益580億円(330億円減)。
 修正理由では、売上収益は、「フォシーガ錠」の売上を前回公表予想比60億円増加の890億円と見込むとともに、デシフェラ社買収により獲得した消化管間質腫瘍治療剤「キンロック」の売上を235億円と見込んでいる。
 また、ブリストル マイヤーズ スクイブからのロイヤルティ収入が円安の影響もあり前回公表予想を上回る見込みで、前回公表予想に比べ350億円増加の4850億円を予想している。
 営業利益は、デシフェラ社買収に係る売上原価、研究開発費および販売費及び一般管理費を見込むとともに、LigaChem Biosciences社との創薬提携契約に係る費用などを織り込み、前回公表予想に比べ400億円減少の820億円を予想している。
 なお、研究開発費は前回公表予想に比べ350億円増加の1470億円、販売費及び一般管理費は前回公表予想に比べ230億円増加の1230億円を予想している。

2024年度通期連結業績よりコア指標導入

 小野薬品は、2024年度通期連結業績よりコア指標を導入する。従来より、同社のIFRSのフルベースの業績には、本業に該当しないあるいは一過性の取引の影響が含まれていた。
 また、今回のデシフェラ社の買収に伴い、今後は買収に伴う無形資産の償却費等が発生することが見込まれている。そこで同社は、2024年度より本業での業績を示すため、コア財務諸表の開示を行うことになった。
 2024年度のコア営業利益は、フルベースの営業利益から、買収したデシフェラ社の「キンロック」に係る無形資産の償却費(売上原価)や開発化合物に係る無形資産の減損損失(研究開発費)などを控除することにより1100億円、コア当期利益は810億円を予想している。

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