抗精神病薬「レキサルティ」 日本でアルツハイマー型認知症に伴う焦燥感等の適応追加承認取得 大塚製薬

 大塚製薬は24日、抗精神病薬「レキサルティ(一般名:ブレクスピプラゾール)」について、国内初となる「アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する過活動又は攻撃的言動」の適応追加承認を取得したと発表した。
 同剤の国内における効能は、「統合失調症」、「うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)」に加えて、3つ目となる。今回、日本国内で取得した効能は、米国をはじめとする海外では”アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション”として承認されている。

 国際老年精神医学会において、認知症に伴うアジテーションは、情動的な苦痛を背景要因とする攻撃的な症状と非攻撃的な症状を含み、同じ動作の反復などの活動亢進、攻撃的発言または攻撃的行動のうち少なくとも1つ以上の症状からなり、認知症の方の日常生活、社会生活、人間関係のいずれかに支障を来した状態とされている。
 これらの症状は、アルツハイマー型認知症の約半数で認められ、介護者の負担を重くし、認知症の方や家族、介護者の生活の質を低下させるとともに家族と同居できず介護施設へ入居せざるを得ない要因の一つとなっている。
 同剤の国内P3試験では、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーションを有する55歳から90歳の410名を対象に、ブレクスピプラゾール(1mgまたは2mgを1日1回)を10週間投与し、有効性と安全性を評価した。ブレクスピプラゾールの1mg群および2mg群はプラセボ群と比較し、いずれも主要評価項目であるCMAI合計スコアにおいて、統計学的な有意差をもって有効性を示した。
 また、臨床全般印象・重症度スコア(CGI-S)など、副次評価項目においても、プラセボ群と比較してブレクスピプラゾールの1mg群および2mg群で改善が認められた。同試験においてブレクスピプラゾールは全般的に良好な忍容性を示し、新たな安全性の懸念は認められなかった。

◆井上眞大塚製薬代表取締役社長のコメント
 大塚製薬は、心身の健康だけでなく、人々を取りまく社会全体の課題を解決するトータルヘルスケアカンパニーを目指している。高齢化が加速する日本国内において、このたびのレキサルティの効能追加は、アルツハイマー型認知症の方々と介護者の双方にとって重要な転換点となることが期待される。
 大塚製薬は、ご自身とその家族・介護者のウェルビーイングに寄り添い、今後も包括的な選択肢を提供する努力を続けていく。

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