大塚製薬は24日、ジュナナ社(本社:米国マサチューセッツ州ボストン)の買収が完了し、ジュナナ社は大塚製薬の100%子会社である大塚アメリカ(本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ)の完全子会社になったと発表した。
本年8月に締結した合意内容に基づき、大塚製薬はジュナナ社株主に対し、同社の全発行済み株式の取得対価として8億ドルを支払った。また、今後の開発品の進捗に応じた開発マイルストンおよび薬事マイルストンとして最大3億2500万ドルを支払う可能性がある。
ジュナナ社は、独自の革新的な創薬アプローチであるRAPID(Reactive Affinity Probe Interaction Discovery)プラットフォームを利用して、従来のスクリーニング系では低分子医薬品の獲得が難しかった様々な医薬品標的に対して、ファースト・イン・クラスの化合物を同定し、自己免疫疾患領域や一部の希少疾患に集中することで、ユニークな競争ポジションを築いている。
自己免疫疾患の分野では、インターフェロンの産生を司る主要な転写因子であるIRF3(インターフェロン調節因子3)など、医学的・生物学的に疾患への寄与が確認された標的に対する低分子化合物の創薬に取り組んでいる。
この創薬技術を用いて、同社は、腎臓におけるアミノ酸の再吸収を制御するタンパク質に対する経口低分子阻害剤JNT-517を開発し、乳児期から症状が現れることが多い遺伝性代謝性希少疾患であるフェニルケトン尿症(PKU)患者でのP1b/2試験を進めている。