「ロゼバラミン」 日本で筋萎縮性側索硬化症用剤として製造販売承認取得 エーザイ

 エーザイは24日、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン」(一般名:メコバラミン)について、日本において「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制」の効能・効果で、製造販売承認を取得したと発表した。同剤は、2022年5月に希少疾病用医薬品に指定され、2024年1月に承認申請を行い、今回の承認取得に至ったもの。
 同承認は、徳島大学の梶龍兒特任教授(主任研究者)、徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床神経科学分野 和泉唯信教授(治験調整医師)、および千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学 桑原聡教授(治験調整医師)らの研究チームが医師主導治験として実施した、ALS 患者130人を対象とした多施設共同、プラセボ対照、二重盲検、無作為化P3試験(JETALS)結果に基づいている。
 JETALS の結果、メコバラミン 50mg 群は、主要評価項目である観察期終了時から治療期 16週時の改訂ALS 機能評価尺度(ALSFRS-R)合計点数の変化量において、プラセボ群に対して統計学的に有意な低下抑制を示した(約 43%の低下抑制、p=0.01)。
 副作用の発現頻度は、プラセボ群で1.6%、メコバラミン50mg群で7.7%であった。メコバラミン50mg 群で認められた副作用は、便秘、注射部位疼痛、発熱、心電図 QT 延長及び発疹が各 1.5%であった。
 ALS は、運動ニューロンの障害により重篤な筋萎縮と筋力低下をきたす進行性の難治性神経変性疾患だ。呼吸筋の麻痺による呼吸不全が主たる死亡原因で、人工呼吸器を装着しなければ発症後約 2~5 年以内に死に至る疾患である。日本における患者数は約 1 万人と推定されている。現在、確立された根治療法はなく、国内外で承認されている治療薬も限られており、アンメット・メディカル・ニーズが極めて高い難病だ。

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