アステラス製薬は19日、心不全管理を目的とした非侵襲的なデジタルヘルス「DIGITIVA」について、米国FDAから認証を取得したと発表した。
DIGITIVAは、医療機器ソフトウェア(Software as a Medical Device、SaMD)としてクラスIに分類され、510(k)申請の対象外となった。DIGITIVAは、アステラス製薬が米国で提供する初めてのデジタルヘルスで、心不全患者自身が治療の中心となり、医療関係者と協力しながら、より積極的に自身の健康管理に取り組むことができるようにデザインされている。
CORE 500TMデジタル聴診器、スマートフォンアプリおよび臨床レビューチームにより構成されており、CORE 500TMデジタル聴診器は、Eko により開発された。スマートフォンアプリは、Welldocのプラットフォームを用いて心不全用に設計され、米国心臓協会(American Heart Association、AHA)が提供する疾患啓発コンテンツを含んでいる。
臨床レビューチームは、これまで見つけるのが難しかった心不全特有のバイオマーカーを含む患者データを選別し、特定のシグナルが検出され医師の介入が必要だと判断された場合、急性心不全や再入院などの臨床結果を改善するため担当医に通知する。
心不全は、世界中で6400万人以上の人々に影響を与えている世界的な保健医療問題である。米国では、心不全患者数は約690万人(2020年推計)に達しており、今後、高齢化と人口増加に伴い、2030年までには24%増の約850万人に達すると予想されている。
◆Richard Cassidyアステラス製薬Rx+事業創成部部門長のコメント
DIGITIVATMは、患者さんが自宅で病気をモニタリングでき、必要に応じて医師の介入が可能となる新たなオプションを提供することで、患者さんと医師が心不全をより適切に管理する手助けとなる可能性がある。DIGITIVATMは、個別化された親しみやすいケアを患者さんに提供し、健康状態の改善を目指す先駆的なデジタルヘルスである。革新的な技術と、個別化された患者さんへの支援を統合できたことは、アステラス製薬にとっての重要な節目となった。
◆Connor Landgraf Eko共同創設者兼最高経営責任者CEOficerのコメント
DIGITIVATMの登場は、在宅と医療機関のケアの間に存在するギャップを埋めることで、心臓の健康を取り巻く状況を大きく変える素晴らしい一歩である。アステラス製薬との連携により、当社の最先端のCORE 500TMデジタル聴診器およびAI技術と、Welldocのデジタルセラピューティクスアプリをシームレスに統合し、心不全がリアクティブ(受動的)ではなく、プロアクティブ(能動的)に管理される未来に向けて大きく前進する。
◆Kevin McRaith Welldoc最高経営責任者CEOのコメント
DIGITIVATMは、患者さんが自宅で快適に心臓の健康を管理するために必要な情報や支援を提供することで、デジタルヘルスの可能性を具現化する。当社のプラットフォームを統合することで、DIGITIVATMは患者さんに、AI駆動型のリアルタイムで個別化されたフィードバックを提供し、ポジティブなライフスタイルの変化を促す。また、データに基づく洞察を医師に提供し、個別の臨床判断を支援する。