mRNAなどの核酸の免疫細胞選択的な送達で使用
アストラゼネカは26日ユナイテッド・イミュニティ(本社:東京都)とmRNAなどの核酸医薬品の免疫細胞選択的な送達に用いる次世代脂質ナノ粒子の共同研究について契約を締結したと発表した。
同研究においてアストラゼネカはユナイテッド・イミュニティと連携し、日本発の新たな薬物送達技術の評価と推進に取り組む。
mRNAなどの核酸医薬品は、新型コロナウイルスワクチン等で示された通り、従来の方法では治療が困難である疾患に対する次世代の医薬品として注目されている。アストラゼネカでは、複数の疾患領域において核酸医薬品の開発を進めており、新しい技術を通じて核酸送達の選択性と安全性を向上させる方法を研究している。
ユナイテッド・イミュニティは、免疫細胞選択的な脂質ナノ粒子(Myeloid Targeting Platform)の研究開発を進めており、同技術は核酸医薬品を特定の免疫細胞や治療部位に直接送達することを可能にし、健康な細胞への影響を最小限に抑えながら、より優れた治療効果の実現の可能性が期待されている。
◆大津智子アストラゼネカの執行役員研究開発本部長のコメント
アストラゼネカでも、トランスサイレチンアミロイドーシス(ATTR)等の疾患に対する核酸医薬の開発を進めている。本研究により、ユナイテッド・イミュニティの日本発の技術とアストラゼネカの本分野における専門性が相乗効果を生み、革新的な核酸医薬品開発が一層加速されることを期待する。
◆岸田将人ユナイテッド・イミュニティ代表取締役社長のコメント
我々は、mRNA等の核酸をマクロファージなど特定の免疫細胞や組織に選択的に送達する技術を用いて、画期的な医薬品創製を目指している。本技術に注目したアストラゼネカ社の目利き、研究開発力と両社の技術を組み合わせた、より画期的な医薬品基盤技術の創製と患者さんへの治療還元を期待している。