2人に1人がAED使用方法知ってるが自ら率先して使うは2割に留まる オムロンヘルスケア

 オムロンヘルスケアは、AED(自動体外式除細動器)の市民への使用解禁が20周年を迎えるにあたり、20代から70代の600人を対象にAEDの使用に関する意識調査を実施した。調査の結果、2人に1人がAEDの使用方法を知っているが、自ら率先して使うと答えた人は2割にとどまることが判明した。
 AEDは突然の心停止(心臓突然死)から命を救うための機器です。心停止のほとんどは、心臓の心室という部位がけいれんする「心室細動」という不整脈が原因といわれている。心室細動を発症すると体内に十分な血液を送ることができず、そのまま放置した場合は約1分ごとに7~10%ずつ命が助かる可能性が下がる。心室細動発症時には、AEDを使い、けいれんをおこした心臓に電気ショックを与えることで心臓を正常な状態に戻すなど、素早い救命措置が求められる。AEDには、正常な心臓には電気ショックは与えないための確認機能や、音声による操作ガイドも搭載されており、専門知識がなくても安心して使用できる。
 以前は、AEDは医師などの限られた人しか使用が許されていませんでしたが、2004年7月に一般市民による使用が可能となって以降20年の期間を経て、現在推計で約67万台が街中などに設置され救急救命の現場で利用されている。
 同調査ではAEDのさらなる利用の拡大に向けて20代以上の男女600名を対象にAEDの使用方法の認知度や、救急救命の現場におけるAEDの使用に対する意識について質問した。
 その結果、AEDの使い方を「知っている」と答えた人は49%と全体の約半数となり、年代別に見てみると20代での割合が最も多く63%、続いて30代が53%であった。また、AEDを使用すべき場面に居合わせたときに「自ら率先してAEDを使って応急処置をする」と回答した人は全体で14%、年代別でみると20代が23%と最も多い割合を占めた。
 一方で、AEDを使わない理由として「AEDの使い方がわからない」「間違った使い方をするのがこわい」「命に関わることなので使用を躊躇する」といった回答が寄せられた。
 今年で市民がAEDを使えるようになって20周年を迎える。7月14日にはAED20周年記念シンポジウムが、東京都内で開催された。シンポジウム会場にはAED体験コーナーも併設された。
 オムロンヘルスケアは、これからもだれもが安全に正しく使用できるAEDを提供するとともに、業界団体や専門家とも連携してAEDの普及と利活用拡大を進めていく。調査の概要及び結果のまとめ、詳細は次の通り。

【調査の概要】
◆調査目的 :AEDに関する調査
◆調査対象 :全国の20代以上の600人(20代、30代、40代、50代、60代、70代以上の各100人)
◆調査エリア:全国
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査期間 :2024年7月5日~7日

【調査結果のまとめ】
1、AEDの使い方がわかる人は約半数(49%)年代別では20代が最も多く63%が「知っている」と回答。

2、AEDの使い方を習ったことのある人は51%。習った場所は「会社・職場」が最も多く37%、次いで「学校などの教育機関(33%)」、「行政機関(消防署や市役所など)」が28%。
20代では「学校など教育機関」で習った人が62%。

3、もしもAEDを用いた救命処置が必要な場面に居合わせたときに「自らAEDを使う」と回答した人は48%。使わない理由として「使い方がわからない」「正しく使えるか自信がない」など知識と経験に対して不安があることを確認。

4、全体の65%の人が、もしも“救命をされる側”だった場合に「AEDを使用してほしい」と回答。「使用されたくない(5%)」と回答した人を大きく上回る。

5、AEDの活用が進むために必要なことは「AED講習の回数や開催場所を増やす(67%)」「設置場所を増やす(51%)」「SNSを使って使用方法などの情報発信を増やす(37%)」と回答。自分の生活圏内でAEDを設置している場所を「知っている」と回答した人は45%。

【調査結果の詳細】

1、AEDの使い方がわかる人は約半数(49%)年代別では20代が最も多く63%が「知っている」と回答。

 AEDの使い方を知っているかどうか質問したところ「知っている」と答えた人は、49.2%と全体の半数以下に留まった。年代別では、20代が63.3%と最も多く、年齢が上がるとともに使い方を知っている人の割合が低下傾向であることがわかった。

2、AEDの使い方を習ったことのある人は51%。習った場所は「会社・職場」が最も多く37%、次いで「学校などの教育機関」が32%、「行政機関(消防署や市役所など)」が28%。20代では「学校など教育機関」で習った人が62%。

 AEDの使い方を習ったことがあるかどうか質問したところ「はい」と答えた人は51.2%とこちらも全体の約半数という結果になった。また、習った場所を質問したところ「会社・職場」と答えた人が最も多く37.1%、次いで「学校などの教育機関」が32.9%、「行政機関(消防署や市役所など)」が28.0%となった。
 また、年代別では、20代で「学校などの教育機関」と答えた人が62.3%と最も多くなった。これは、AEDの使用解禁以降に教育機関でのAED講習が増加したことの影響が考えられる。

3、もしもAEDを用いた救命処置が必要な場面に居合わせたときに「自らAEDを使う」と回答した人は48%。使わない理由として「使い方がわからない」「正しく使えるか自信がない」など知識と経験に対して不安があることを確認。

 もし、目の前で突然人が倒れ、AED(自動体外式除細動器)を用いた救命処置が必要な場合、AEDを使うことについてどう思うかを質問したところ、「率先して自ら使う」と答えた人は14.3%、「周囲に使える人がいなかったら、自ら使う」と答えた人は33.7%となり、「自ら使う」と答えた人は合わせて48.0%となった。
 「自らはAEDを使わない」と答えた人に対して、その理由を質問したところ「使い方がわからない」「正しく使えるか自信がない」などの回答が多く、知識と経験に対して不安があることが確認できた。
 一方で「AEDの使い方がわかる」と答えた人のうち、「率先して自ら使う」と答えた人は10.5%程度にとどまり、使い方を知っている人でも、実際の使用には躊躇してしまう結果が浮き彫りとなった。

4、全体の65%の人が、もしも“救命をされる側”だった場合に「AEDを使用してほしい」と回答。「使用されたくない(5%)」と回答した人を大きく上回る。

 もし“救命をされる側”だった場合にAEDを使ってほしいかを質問したところ、「使用してほしい」と答えた人は全体の64.8%と「使用してほしくない」と答えた4.5%を大きく上回る結果となった。

5、AEDの活用が進むために必要なことは「AED講習の回数や開催場所を増やす(67%)」「設置場所を増やす(51%)」「SNSを使って使用方法などの情報発信を増やす(37%)」と回答。

 AEDの活用がさらに進むためには何が必要だと思うかを質問したところ「AED講習の回数や開催場所を増やす」と答えた人が最も多く全体の66.7%、次いで「設置場所を増やす」が50.5%、「SNSを使って使用方法などの情報発信を増やす」36.8%という結果となった。

6.自分の生活圏内でAEDを設置している場所を「知っている」と回答した人は45%。

 自身の生活圏内(自宅や勤務先、通勤経路の周辺)でAEDが設置されている場所を知っているか質問したところ、知っている人と回答した人は全体の44.8%となり、半数以上の人が自身の生活圏内でAEDが設置されている場所を知らないとことがわかった。

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