抗がん剤「DSP-5336」 米国FDAより急性骨髄性白血病治療薬としてファストトラックの指定受領 住友ファーマ

 住友ファーマは16日、開発中のメニン-MLL(mixed-lineage leukemia)タンパク質結合阻害剤「DSP-5336」(抗がん剤)について、米国FDAより再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)を対象としたファストトラック指定を受領したと発表した。
 対象は、KMT2A(MLL)遺伝子の再構成または Nucleophosmin 1(NPM1)遺伝子の変異を有する再発または難治性の急性骨髄性AML。
 FDAのファストトラック指定は、重篤または生命を脅かす恐れのある疾患やアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患に対し、治療効果が期待される治療法の開発・審査の迅速化を目的とした制度である。
 同指定により、FDAとの協議の頻繁なやり取りや申請資料の段階的な FDA提出が可能となり、FDAは全データの提出を待たずに提出されたデータから順次審査を進めることができる。さらに、今後得られる臨床試験結果によって、優先審査の対象となることも期待される。
 2023年米国血液学会(ASH:American Society of Hematology)年次総会で発表した予備的なデータに続き、2024年欧州血液学会(EHA:European Hematology Association)年次総会では、現在実施中の同剤P1/2試験の非盲検、用量漸増および用量最適化パートの最新データが発表された。
 客観的奏効は、NPM1 遺伝子の変異または KMT2A(MLL)遺伝子の再構成を有する患者の57%(21名中12名)に認められ、完全寛解または部分的血液学的回復を伴う完全寛解(CR/CRh)は24%(21名中5 名)に認められた。
 これまでの試験結果において、同剤の忍容性は良好であり、用量制限毒性(DLT)は認められておらず、重大な心毒性の所見、治療関連の投与中止や死亡例も認められていない。
 アゾール系薬剤との重大な薬物相互作用は確認されておらず、反復投与による薬物動態学的蓄積はほとんど認められていない。
 重要なことに、分化症候群(DS:differentiation syndrome)の予防は必要とされておらず、DS は3名(5%)で報告されたが、いずれもマネジメント可能で集中治療室(ICU)への入院や投与中止には至らなかった。
 白血病は、血液細胞のがんであり造血器官である骨髄中において、腫瘍性の白血球(白血病細胞)が異常増殖して正常造血が阻害されることを特徴としている。白血病の一種である急性白血病は、白血病細胞が急速に増殖し、突然症状が現れるため、早急な治療が必要とされている。
 また、AML患者の約30%が NPM1遺伝子の変異を5~10%がKMT2A(MLL)遺伝子の再構成を有しているといわれている。

◆中川勉スミトモファーマ・アメリカPresident兼CEO のコメント
 再発または難治性の急性骨髄性白血病と診断された患者さんとそのご家族にとって、この疾患に対するアンメット・メディカル・ニーズは依然として高く、我々は新たな治療法の確立とその進展が急務であると認識している。
 我々、今回のFDAによる本剤のファストトラック指定をうれしく思う。今後の本剤の臨床開発において、FDAと緊密に協力していく。

◆ジェイティン・シャー スミトモファーマ・アメリカChief Medical Officer- Oncologyのコメント
 AML の治療選択肢は限られており、特にKMT2A(MLL)遺伝子の再構成または NPM1遺伝子の変異を有するAMLに対しては、承認された標的治療法がなく、高いアンメット・メディカル・ニーズがある。本剤は有望な臨床活性を示しており、メニン阻害剤はこれらの遺伝子異常を有する急性白血病の予後を改善できる大きな可能性を有している。
 我々は、これらの早期臨床試験結果およびFDAによる本剤のファストトラック指定をうれしく思っている。我々は、再発または難治性の急性骨髄性白血病患者さんに、良好な忍容性と有効性を兼ね備えた新たな標的治療法を提供するために、FDAや関係者と緊密に連携し、迅速に本剤の開発を進めていく。

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