ベネトクラクス 再発・難治性MCL予定の効能効果で国内での希少疾病用医薬品指定取得 アッヴィ

 アッヴィは24日、経口 BCL-2 阻害薬「ベネトクラクス」について、再発または難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)を予定とする効能・効果として、国内で希少疾病用医薬品の指定を取得したと発表した。
 MCLは悪性リンパ腫の非ホジキンリンパ腫(NHL)に分類され、リンパ節のマントル帯に由来するBリンパ球(白血球の一種)ががん化するB細胞リンパ腫の1つである。
 現在、欧米ではNHL症例全体の約6-9%で、増加傾向にある。日本国内ではNHL症例全体の約3%で、MCL患者数は約2000人と報告されている。60歳代半ばの患者で多く発症し、男女比では女性よりも男性に多いとされている。約90%の患者は、初発時に病期III期またはIV期の進行期にある。
 多くの場合、MCLの初回治療後、高齢者では2-3年、若齢者では約5年で再発または再燃に至ると報告されている。
 現在、日本ではMCLに対する標準治療は確立されていない。自家造血幹細胞移植治療に適応のある患者は、強化型化学療法後に自家造血幹細胞移植を行うことを推奨されているが、大部分のMCL患者は高齢であり、強化型化学療法が適応とならないことが多いのが現状だ。
 強化型化学療法が困難なMCL患者では、推奨された複数の初期治療法がある一方で、これらの初期治療では高い全奏効率(ORR)を示すことがあっても、大部分の患者は最終的には再発する。再発した場合、化学療法の効果は薬剤に関係なく一次治療の効果より劣るほか、急速な進行が認められうるため、良好な忍容性を維持しつつ再発又は難治性のMCL患者の予後の改善を目指す新たな治療法の開発が求められている。
 ベネトクラクスのMCLに対する適応症については、現在日本で開発中である。国内において再発または難治性のMCLの効能・効果が承認された場合、ベネトクラクスでは、再発または難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)および急性骨髄性白血病に続く新たな適応症となる。

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