乾英夫氏の3期目会長を承認 大阪府薬総会・代議員会

乾氏

 大阪府薬剤師会は22日、同会館で第23回定時総会、第148回通常代議員会を開き、乾英夫会長の3期目および2023年度決算を承認した。
 さらに、20名の理事も一括承認し、道明雅代、伊藤憲一郎、宮田憲一、西川直樹の4副会長、山岡信也専務理事、羽尻昌功、松浦正桂、山本克己、佐野智の4常務理事など新執行部人事も発表した。定数2名中3人の立候補者があり選挙となった監事には、谷澤靖博氏、松尾浩氏を選出した。各任期は、2025年度事業終了後の総会まで。
 乾氏は、「地域の薬局・薬剤師が地域包括ケアシステムの構築において、‟患者のための薬局ビジョン”を実現し、掛かり付け機能を発揮できるように、引き続き支援していきたい」と抱負を述べた。
 さらに、3期目の会長として推進すべき事業として、①大阪府薬剤師会独自のシステムによる生涯研修支援体制構築、②若い薬剤師の開局支援と事業承継支援、③既卒・新卒も含めた適切な薬局・病院等への就職支援、④「いわゆるテクニシャン」の養成・研修、⑤薬局経営に関する情報提供、研修等、⑥医療情報の電子化に向けたICT化推進-を挙げた。
 大阪府薬独自のシステムによる生涯研修は、来年4月スタートを目指す。薬局事業承継支援は、大阪府内でも薬局のM&Aや自然に廃業する地域薬局が増加していることがその背景にある。適切な薬局・病院等への就職支援では、大学等との連携をしっかりと密にする。また、既存の薬剤師については、登録して派遣できる制度の構築を検討する。
 薬局経営においては、社団法人の薬剤師会ではできない事柄について、‟大阪薬剤師協同組合の活用”を検討していく。
 大阪府薬の2023年度収支決算額は、経常収益6億9424万1289円、経常費用7億3771万3309円で、4347万2020円の赤字となり、赤字額は、一般正味財産から補填された。一般正味財産期末残高は37億6019万9936円。
 2023年度の赤字額が、対前年比2449万4557円増と膨らんだ主な要因は、地域・職域薬剤師会活性化事業補助金3818万6455万円(43薬剤師会、92件)を新たに計上したためで、2024年度はその計上予定はない。

渡嘉敷氏

 渡嘉敷奈緒美前衆議院議員は、大阪府薬総会・代議員会の祝辞の中で、「この間の診療報酬では、地域支援体制加算は増えたものの減額された部分もあり、財政的に国が相当きつくなっていると予測される。我々薬剤師は、診療報酬だけに頼っていて大丈夫なのかと考えねばならない」と呼びかけた。
 その上で、「薬の知識を持った薬剤師は、十分に国民の皆さんに役立つ仕事ができる。特に、予防に手を入れて行けばチャンスはまだまだある」と指摘し、「私も新しい挑戦を薬剤師のために仕掛けていきたい。今秋にも予測される衆院選に再挑戦して、返り咲けるように頑張っている」と訴えかけた。
   

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