抗体誘導ペプチド「FPP004X」 大阪大と独占ライセンス契約締結 ファンペップ

 ファンペップは5日、大阪大学と同大学大学院医学系研究科との共同研究成果である抗体誘導ペプチド FPP004Xの共有特許について、独占ライセンス契約を締結したと発表した。
 同契約に基づき、ファンペップによる全世界での独占的な研究開発、製造及び販売、並びに第三者への実施許諾(再実施許諾権付)が可能となる。
 抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で標的タンパク質に対する抗体産生を誘導することにより治療効果が期待されるペプチド治療ワクチンである。
 同社が開発中の FPP004X は、標的タンパク質 IgE に対する抗体誘導ペプチドだ。IgE(ImmunoglobulinE)は、体内に入った異物を排除する働きを持つ抗体の一種で、花粉等の原因物質(アレルゲン)に結合するとアレルギー反応を引き起こす。
 FPP004Xは、免疫細胞に抗IgE抗体を一定期間産生させることから、アレルギーに対する持続的な効果が期待される。
 この特長を活かし、ファンペップは、社会問題となっている花粉症を第一の適応症として、花粉飛散前に投与することでシーズンを通して症状を緩和できる患者にとって利便性の高い新しい治療選択肢の提供を目指している。
 FPP004X に関して、ファンペップは、本年3月に塩野義製薬との間でオプション契約を締結しており、塩野義製薬は、ファンペップが実施する臨床試験結果等にもとづき、FPP004X の全世界における研究開発、製造及び販売に関する独占的ライセンスを取得するオプション権を保有している。 ファンペップは、塩野義製薬との連携のもとで、2025 年の日本国内での臨床試験開始を目指して前臨床試験を実施中の FPP004X の研究開発を推進していく。なお、同実施契約締結に伴い、ファンペップは大阪大学に契約一時金を支払う予定である。さらに、同オプション契約(同オプション権が行使された場合に締結されるライセンス契約を含む)に関して塩野義製薬から受取る一時金、マイルストーン及びロイヤリティーの一部を支払う予定だ。なお、同件による2024 年12月期のファンペップグループの研究開発費の見込額に変更はない。

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