塩野義製薬は4日、発明協会が主催する令和6年度全国発明表彰において、「HIVインテグラーゼ阻害剤ドルテグラビルの発明」が、最高位の賞である「恩賜発明賞」および「発明実施功績賞」を受賞したと発表した。
全国発明表彰は、発明協会が皇室からの御下賜金を受け、日本の科学技術の向上と産業の発展へ寄与することを目的に開催されるもの。同表彰は、多大な功績をあげた発明、考案、意匠、あるいは、今後大きな功績をあげることが期待される発明などを表彰するもので、ヘルスケア領域など特定の分野に限らず、全ての分野が対象となっている。
その中でも、「恩賜発明賞」は、全国発明表彰の象徴的な賞として、最も優秀と認められる発明などの完成者に贈呈される。
また、「発明実施功績賞」は、法人が恩賜発明賞を受賞する場合に、発明者の所属する企業や団体の代表者に贈られる賞である。
今回の受賞は、エイズを引き起こすヒト免疫不全ウイルス(HIV)独自の酵素であるインテグラーゼを阻害することによって、HIVの増殖を抑える化合物(ドルテグラビル)の発明を評価されたものだ。
ドルテグラビルは、副作用や耐性ウイルスの出現という従来のHIV治療の課題を解決した化合物であり、ドルテグラビルを主成分とするHIV治療薬の4製品は、現在英国ヴィーブ社を通じて欧米や日本を中心としてグローバルに販売され、HIVと共に生きる人々のQOL向上に貢献している。