ADAMTS13 CHMPが先天性血栓性血小板減少性紫斑病に対して肯定的見解 武田薬品

 武田薬品は3日、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)の小児および成人のADAMTS13欠乏症の治療薬として、開発中の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)について、5月31日(米国時間)に欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が承認を例外的な状況下において推奨したと発表した。
 rADAMTS13は、cTTPの治療薬として開発された最初で唯一の遺伝子組換えADAMTS13酵素補充療法薬で、米国および日本で 「アジンマ」として販売されている。rADAMTS13は、cTTPの患者の定期的投与および急性増悪時投与の治療薬として米国FDAおよび日本の厚労省から承認されている。。
欧州委員会(EC)では、EU全体でのrADAMTS13の製造販売承認を判断する際に、今回のCHMPの肯定的見解を考慮する。承認されれば、rADAMTS13はcTTP治療薬として、EUにおいて最初で唯一の酵素補充療法薬となる。
 cTTPは、ADAMTS13酵素の欠乏によって生じる超希少かつ慢性の血液凝固障害である。血小板減少症、微小血管症性溶血性貧血、腎症状、脳卒中、腹痛を含む急性症状、消耗性の慢性症状を伴う。未治療のまま経過すると急性 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)イベントの死亡率は90%を超える。
 今回の欧州委員会の肯定的見解は、cTTPを対象とした初の無作為化、比較対照、非盲検、クロスオーバーP3試験から得られた有効性、薬物動態、安全性および忍容性データの中間解析を含む包括的エビデンスによって支持されました。 同試験(NCT03393975)のデータは、2024年5月にThe New England Journal of Medicine誌に掲載された。rADAMTS13は現在進行中のP2b試験(NCT05714969)で、後天性TTPである免疫介在性血栓性血小板減少性紫斑病(iTTP)の成人患者も対象として研究されている。

◆Obi Umeh武田薬品ヴァイス プレジデント、フランチャイズ グローバル プログラム リーダー(M.D., M.Sc.)のコメント
 cTTPの患者さんは深刻で死に至る可能性のある健康面の課題を抱えており、欧州連合では治療選択肢が限られている。遺伝子組換えADAMTS13に対する今回の肯定的見解により、当社はcTTPに特異的に適用される最初の治療薬をEUの患者さんにお届けできる可能性に一歩近づいた。
 武田薬品は、世界中のより多くの患者さんのためにcTTPに対する標準治療に革新をもたらすことを目指しており、欧州委員会の決定を楽しみにしている。

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