先天性血栓性血小板減少性紫斑病治療剤「アジンマ」発売 武田薬品

 武田薬品は30日、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)治療剤「アジンマ」について、同日、発売したと発表した。
 アジンマは、世界初の遺伝子組換えADAMTS13製剤で、対象は12歳以上のcTTP。定期補充療法(定期的な投与)および一時補充療法(急性増悪時の投与)として投与できる。薬価は、1500国際単位1瓶(溶解液付)121万2026円。
 cTTPは、ADAMTS13酵素の欠乏によって生じる超希少かつ慢性の血液凝固障害である。血小板減少症、微小血管障害性溶血性貧血、頭痛、腹痛を含む急性症状や消耗性の慢性症状を伴う。未治療のまま経過すると急性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)イベントの死亡率は90%を超える。 アジンマは、主に12歳から68歳の cTTP患者(日本人5名を含む)を対象としたグローバルP3試験(281102試験、NCT03393975)における有効性、薬物動態、安全性および忍容性の中間解析データ、およびP3b相継続試験(TAK-755-3002試験、NCT04683003)における長期的安全性および有効性の中間解析データから得られたエビデンスに基づいて2023年8月16日に厚労省に製造販売承認申請し、本年3月26日に製造販売承認を取得した。
アジンマは、米国FDAにより成人および小児患者さんを対象にcTTPの定期補充療法および一時補充療法として承認されており、後天性、特発性および続発性を含むTTPの治療と予防に対して、希少疾病用医薬品に指定されている。
 また、欧州医薬品局(EMA)および厚労省(MHLW)からもTTPに対して希少疾病用医薬品指定を受けている。

◆濱村美砂子武田薬品ジャパン ファーマ ビジネス ユニット希少疾患事業部長のコメント
 cTTPを効能又は効果とする世界初で唯一の治療剤であるアジンマを日本の患者さんにお届けできることを心よりうれしく思う。アジンマをこれまで治療選択肢が限定されていたcTTP患者さんに対する新しい治療選択肢としてお届けし、一人でも多くの患者さんに貢献できるよう尽力していきたい。

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