トポタマブ デルクステカン 非小細胞肺がんのドセタキセルとの比較P3試験で全生存期間改善未達 第一三共

 第一三共は27日、非小細胞肺がんの二次/三次治療薬「ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)」について、転移性非小細胞肺がん患者を対象としたP3試験(TROPION-Lung01)において、全生存期間の統計学的に有意な改善は認められなかった発表した。
 TROPION-Lung01試験は、Actionable遺伝子変異の有無を問わず、前治療歴のある進行または転移性非小細胞肺がん患者約600名における同剤投与群の有効性と安全性を、ドセタキセル(現在の標準治療である化学療法)投与群と比較して評価したグローバルP3試験だ。
 同試験の主要評価項目の一つである全生存期間について、全患者集団において、同剤投与群でドセタキセル投与群に対し改善傾向が認められたものの、統計学的に有意な改善は認められなかった。
 一方、事前に規定したサブグループ解析では、非扁平上皮非小細胞肺がん患者集団において、同剤投与群はドセタキセル投与群に対し臨床的に意義のある全生存期間の改善を示した。
 なお、同試験では、もう一つの主要評価項目(無増悪生存期間)を既に達成している。2023年10月開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)で発表したとおり、全患者集団において、同剤投与群はドセタキセル投与群に対し統計学的に有意な改善を示し、また非扁平上皮非小細胞肺がん患者集団を対象としたサブグループ解析において臨床的に意義のある無増悪生存期間の改善を示した。
 安全性について、新たな懸念は認められなかった。同剤と関連のある間質性肺疾患(ILD)については、中間解析以降に新たな報告例はなかった。これらの験結果の詳細は、今後、学会で公表する予定にある。
 第一三共では、同試験結果が、米国およびEUの規制当局により現在審査中の承認申請をサポートできるものと期待している。また、同剤を世界中の非小細胞肺がん患者に届けられるよう各国・地域において承認申請および規制当局との協議を進めていく。

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