早老症治療薬「ゾキンヴィ」 5月27日に日本で発売 アンジェス

 アンジェスは23日、早老症治療薬「ゾキンヴィ」(希少疾病医薬品)について5月27日に日本で発売すると発表した。
 対象は、早老症のうちハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー(PL)。
 ゾキンヴィは、米国において2020年11月に承認を得て販売され、その後、欧州連合、英国でも承認された。アンジェスは、2022年5月に日本における独占販売権を取得し、2023年 3月に厚労省により希少疾病医薬品(オーファン・ドラッグ)の指定を受け、本年1月18日に製造販売承認を取得し、4月17日に薬価基準に掲載された。薬価は、50mgが9万1796.40円、75mgが13万6544.00円
 ゾキンヴィは、HGPS及びプロセシング不全性PLの小児及び若年成人において、核膜の構造・機能を損なうファルネシル化された変異タンパク質(核の不安定化と早期老化を惹起)の蓄積を阻害する。ファースト・イン・クラスの疾患修飾剤であり、小児及び若年成人のHGPS及びプロセッシング不全性PLにおいてその薬効が検討された。
 その結果、HGPSの患者において、ゾキンヴィは死亡率を72%減少し、平均生存期間を4.3年延長しました。多くの患者が10年以上にわたってゾキンヴィによる治療を継続している。
 安全性では、最も多く報告された副作用は消化器系(嘔吐、下痢、悪心)で、そのほとんどが軽度又は中等度である。
 ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)とプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー(PL)は、それぞれが大変希少な致死性の遺伝的早老症で、若い時点から死亡率が加速度的に上昇する。
 HGPSは、LMNA遺伝子の点突然変異により、ファルネシル化された変異タンパク質であるプロジェリンが生成されることにより発症する。プロセシング不全性のPLは、LMNAやZMPSTE24遺伝子の変異により、プロジェリンに類似したファルネシル化タンパク質が生成され、老化が促進される。
 いずれの病型ともに、深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚、全身性脂肪性筋萎縮症、脱毛症、関節拘縮、骨格形成不全、動脈硬化の促進などの早老症状が現れ、動脈硬化性疾患(心筋梗塞あるは脳卒中)により若年期に死亡するとされ、HGPSの平均年齢は14.5歳と報告されている。
 アンジェスでは、日本国内においてゾキンヴィの使用が見込まれる患者数は数名程度と見込んでいる。


  

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