世界初の1日1回上下眼瞼塗布クリームタイプのアレルギー性結膜炎治療剤
参天製薬と田辺三菱製薬は22日、両社が共同販売促進契約を結ぶ持続性・経眼瞼アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン眼瞼クリーム0.5%」について、同日、参天製薬が日本で発売したと発表した。
同製剤は、世界で初めての1日1回上下眼瞼(眼周囲)へ塗布するクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療剤で、抗アレルギー点眼剤(メディエーター遊離抑制薬およびヒスタミンH1受容体拮抗薬)が一般的であるアレルギー性結膜炎治療において、新たな治療選択肢を提供するために参天製薬が開発したもの。
患者のより一層の用法遵守を期待し、また点眼が困難である患者が容易に、適切に投与するためのクリームという新しい剤形の治療剤である。
1日1回、投与部位となる上下の眼瞼に指で直接触れながら塗布することで、アレルギー性結膜炎に対する治療効果を発揮する。薬価は、1686.70円(0.5%1g)。
アレジオンクリームの有効成分であるエピナスチン塩酸塩は、1975年にベーリンガーインゲルハイムにより創製され、ヒスタミンH1受容体拮抗作用およびマスト細胞からの化学伝達物質の遊離抑制作用を有している。国内で無症状期のアレルギー性結膜炎患者を対象として行われたP3試験(結膜抗原誘発試験、プラセボ対照無作為化二重遮蔽比較試験)で、アレルギー性結膜炎の主症状である眼そう痒感スコアおよび結膜充血スコアにおいて、同剤のプラセボ眼瞼クリームに対する優越性が検証された。また、P3相長期投与試験において認められた副作用は、眼瞼そう痒症1.6%(2/124 例)および眼瞼紅斑0.8%(1/124 例)で、重篤な副作用は認められなかった。
アレジオンクリームの製造販売はSantenが行い、医療機関への情報提供活動については、本年5月7日に発表した共同販売促進契約に基づき、参天製薬と田辺三菱製薬の両社共同で実施する。参天製薬は、眼科の医療機関を、田辺三菱製薬は眼科以外の医療機関を担当する。
眼科のスペシャリティ・カンパニーである参天製薬は、アレルギー性疾患治療剤「ルパフィン錠10mg」を販売し、幅広い診療科へのアクセスを有する田辺三菱製薬と共同で情報提供活動を行うことで、アレルギー性結膜炎の新たな治療選択肢となるアレジオンクリームをより多くの医療現場に提供し、患者のQOL向上に寄与する。
◆栗原逸平参天製薬日本事業統括 兼グローバルコマーシャルストラテジー担当のコメント
参天製薬は、常に患者さんを中心とした製剤開発を大切にしている。抗アレルギー点眼剤「アレジオンLX点眼液」と「アレジオン点眼液」の開発・製造・販売を通じて培ったノウハウを活用し、1日1回上下眼瞼(眼周囲)へ塗布するクリームタイプの本剤を開発した。
日本国内において増加傾向にあるアレルギー性結膜炎患者さんの多くが、目のかゆみや充血といったアレルギー性結膜炎症状によりQOLの低下を感じている。この製剤の発売が、アレルギー性結膜炎治療において新たな治療選択肢を提供するとともに、患者さんの目のかゆみが起こる回数を少なくし、一人でも多くのアレルギー性結膜炎患者さんのQOLの低下の抑制に寄与できることを期待している。
◆倉垣康隆田辺三菱製薬日本医薬事業本部長のコメント
当社は、「病と向き合うすべての人に、希望ある選択肢を。」をMISSIONとして掲げている。これまで田辺三菱製薬は、抗アレルギー点眼剤「アレジオンLX点眼液」と「アレジオン点眼液」の情報提供活動を実施してきた。
今回、発売を迎えたアレジオンクリームは、1日1回上下眼瞼に塗布する新しい剤形の治療剤であり、アレルギー性結膜炎患者さんにとって希望ある選択肢となるよう、情報提供活動を通じてアレジオンクリームの適正使用を推進していく。