武田薬品は、お菓子の日(毎月15日)と世界IBDデー(5月19日)に合わせ、製菓会社8社の協力のもと、炎症性腸疾患(IBD)患者のお菓子選びをサポートする「IBDreamお菓子図鑑」を同社疾患啓発サイトで公開した。
同図鑑は、IBD患者の悩みに向き合い、さまざまな企業や団体とともに解決策を考える「IBDreamプロジェクト」の活動の一環として制作されたもの。
コラボレーションしている製菓会社は、江崎グリコ、亀田製菓、湖池屋、三幸製菓、不二家、森永製菓、有楽製菓、ロッテの8社。
同図鑑では、チョコレート、ビスケット、スナック、米菓、キャンディの5カテゴリの計220商品を掲載しており、IBD患者に限らず誰でもダウンロード可能である。
IBDは、腸を中心とする消化管粘膜に炎症が生じる疾患で、主に10代~20代で多く発症することが知られている。患者の多くは、頻回の下痢や血便、腹痛、発熱、さらには慢性疲労に悩まされながら日常生活を送っている。
武田薬品がIBD患者に実施したアンケートでは、「脂質制限が必要なため食べるものが限られてしまう」、「脂質の多そうな食事は何となく控えている」など、食事において悩みを抱えていることが分かっている。
こうした悩みは「間食」も例外ではなく、「外出先で出されたお菓子を我慢している」、「以前は気にせず食べていたお菓子を控えている」というIBD患者の声もあり、お菓子選びの際にも配慮が必要な場面がある。
同図鑑では、チョコレート、ビスケット、スナック、米菓、キャンディの5カテゴリの計220商品について、原材料、栄養成分、アレルギー情報等のIBD患者にとって大切な情報や、小分けにして食べる際の「脂質5g以内の目安量」などを掲載している。
また、患者が楽しめるよう、“お菓子のトリビア”もあわせて掲載している。なお、「IBDreamお菓子図鑑」は、実臨床でIBD患者により近い場所で接している管理栄養士の観点から、すべての商品を宮澤靖氏(東京医科大学病院栄養管理科)が監修。脂質5g以内の目安量と特記事項については、各商品の原材料ならびに栄養成分情報を基に、宮澤氏の監修のもと、記載を行っている。
表紙やイラストのデザインは、IBD患者でもあるクリエイターのカメダ氏が担当した。
◆監修を務めた宮澤靖氏のコメント
IBDの症状や体調は個人差が大きいため、自身の体調に合ったお菓子を見つけることが重要である。また、本図鑑は、患者さんのみでなく、脂質を気にしている方をはじめ、多くの方にお使いいただける図鑑にもなっている。
本図鑑を通して、社会におけるIBDの認知や、患者さんへの理解につながることを期待している。