大阪府薬剤師会は15日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長が「5月11日よりホームページに、地域の薬局の開局時間・時間外対応の状況を取りまとめた‟地域における夜間・休日の医薬品提供体制(在宅含む)リスト”をアップした」と報告した。
さらに、地域支援体制加算算定要件に加えられた「緊急避妊薬の供給対応」にも言及し、「本年4月以降に3回開催したオンライン診療に基づく緊急避妊薬調剤に関するWEB研修会に合計2603名もの受講者が参加した」ことを明らかにした。
菱谷博次専務理事は、薬剤師が診療訪問等に使用する車両の駐車許可の簡素合理化について、「これまでの申請は、訪問日時と場所をピンポイントで示さねばならなかったが、薬局の開局時間および緊急時を書くだけでOKになった」と説明した。
このほか、本年11月10日にマイドームおおさかで開催される第26回近畿薬剤師学術大会(大阪府薬主催)において、森下竜一2025年大阪・関西万博大阪パビリオン総合プロデューサー(大阪大学大学院医学研究科臨床遺伝子治療学寄付講座教授)が特別記念講演を行うことも報告された。
5月11日に大阪府薬ホームページにアップされたリストには、夜間・休日等に医師から処方箋が発行された場合など、緊急性の高い処方箋調剤等に対応することを念頭に、地域の薬局の開局時間・時間外対応の状況が取りまとめられている。
乾氏は、「厚労省からは、日曜・祝日と各曜日ごとの夜間対応を明記した地域における夜間・休日の医薬品提供体制(在宅含む)リスト作成が求められている。そのリストについては、今月中にアップする予定にある」と述べた。
同リストは、2024年度調剤報酬改定による地域支援体制加算、連携強化加算及び在宅薬学総合体制加算の施設基準において、「地域での夜間・休日対応薬局のリスト化」が算定要件に加えられたことを受けて作成するもの。
伊藤憲一郎副会長は、「大阪府下には、会員以外の保険薬局が2割弱ある。それも含めたリストを作成する必要があるため、地域薬剤師会が独自にリストを作成する8地域以外については、大阪府薬が日本チェーンドラッグストア協会やNPhAに協力を要請して作成している」と説明した。
現在作成中の「地域における夜間・休日の医薬品提供体制(在宅含む)リスト」には、大阪府下の保険薬局(4500軒)の7割に当たる約3000軒の薬局が掲載される見込みだ。ちなみに、大阪府下で地域支援加算を算定している薬局は約2000軒に上る。
伊藤氏は、「あくまでも時間外、休日に地域住民が困らないように対応していく。どういった対応ができるのか薬局と住民が相談して地域住民が困らない体制を組みたい」と訴えかけた。
オンライン診療に基づく緊急避妊薬調剤に関するWEB研修会について乾氏は、「今回の研修によって大阪府下で緊急避妊薬に対応できる薬局薬剤師、薬剤師の数が一気に増えた」と強調し、「現在の緊急避妊薬の試験的販売から、OTCへの移行も踏まえた対応ができる体制を国も整えてくれている」と訴求した。